10年以上前に、フラマスターのジョージ・ナオペ氏より「マカナオカラニ(天からの贈り物)」というハワイアン・ネームを頂いてから、正に天からの贈り物のように、次々と奇跡的な出会いや出来事に導かれ、これまでハワイ文化を学んでくることができました。今では私の人生の一部となっているハワイ語の世界と、ハワイアン・カルチャーの素晴らしさを、皆さんにシェアしていきたいと思います。第一回はこちら。
かずこセリッグの「ハワイ語の世界」 第7回 ハワイ語の中にある隠された意味とは? その1
●言葉に隠された意味、カオナ アロハ・マイ・カーコウ! かずこセリッグです。
一身上の都合で、連載をしばらくの間お休みさせていただいておりましたが、今月から再開することになりました。読者の皆様、そしてハワイの歩き方編集スタッフの皆様、大変ご迷惑をおかけいたしました。今後とも「かずこセリッグのハワイ語の世界」を宜しくお願いします。
今回のテーマは、「カオナ(kaona)」に代表される、ハワイ語の間接的な表現についてです。 カオナとは、「言葉の中に隠された意味」または「言葉がもつ二重の意味」のことで、フラ曲にも良く使われる表現です。 |
●「イリマのレイ」とは、ハワイ語でどんな意味?
カオナの例をひとつ挙げてみましょう。 「イリマのレイ」といえば、「イリマの花のレイ」という意味です。それに加えて、イリマが、オアフ島の花であること、そしてレイは人という意味も持つことから、「イリマのレイ」は、「オアフ島の人々」という意味にもなるんです。さらに、レイには子供という意味もあります。ハワイには、人は土地によって生かされている、という考えがあり、土地と人の関係は、親と子の関係に等しいとされています。こんな風に考えると、「イリマのレイ」という言葉の中に、イリマ=親であるオアフ島 と、レイ=子である人々 の特別な関係や、人々の土地への愛情、誇り、歴史、さえも感じ取ることができます。こんな短い言葉の中に、これだけの複数の意味(カオナ)を込められるハワイ語は、すごいと思いませんか!
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●秘密のメッセージを託すことも
カオナを理解するには、文化的知識が必要で、現代の私たちにはちょっと難しく感じられます。けれども、ハワイ語が母国語として話されていた頃は、カオナといっても、常識的に皆が知っていた事や、感覚的に理解できた事が多かったのではないかと思います。前述の「イリマのレイ」もそのひとつでしょう。ところが、文化的知識や常識をもってしても、分からないカオナがあります。ハワイ語の歌の中には、作者と、その歌を贈られた人にしかわからない、秘密のカオナがあるんです。このタイプのカオナは、当事者が教えてくれない限り、その意味を知ることはできません。
カオナに限らずハワイ人は、えてして直接的な表現をしない事が多いようです。間接表現の中には、ユーモアたっぷりなものも見られます。例えば「彼はコーロアにいる」という言葉。一見、コーロアを場所の名前と見せて、実はコー(溺れる)ロア(すごく)=酔っぱらう。「この人、すっかり酔っちゃってるわ」と言っているのです。(つづく)
※かずこさんは昨年11月にお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りいたします。
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