10年以上前に、フラマスターのジョージ・ナオペ氏より「マカナオカラニ(天からの贈り物)」というハワイアン・ネームを頂いてから、正に天からの贈り物のように、次々と奇跡的な出会いや出来事に導かれ、これまでハワイ文化を学んでくることができました。今では私の人生の一部となっているハワイ語の世界と、ハワイアン・カルチャーの素晴らしさを、皆さんにシェアしていきたいと思います。第一回はこちら。
かずこセリッグの「ハワイ語の世界」 第6回 フラはどこから始まった? 神話に見るフラの起源 その2
●カウアイ島に伝わる、ミステリアスな美女の物語 フラ発祥を物語る、神話の数々をご紹介しています。前回は、大変ポピュラーなペレとヒイアカの物語から「フラ発祥の地は、ハワイ島」というお話をしました。今回は、カウアイ島に伝わる、ミステリアスな美女、プアナニオケカハカイ(「浜辺に咲く美しい花」という意味)のお話をご紹介しましょう。
女神と人間の男の間に、女の子が生まれた。赤子は生まれてすぐ、母親に海に投げ込まれてしまったが、イルカに助けられ、海原から人気の無い浜辺へと返された。女の子は、この場所で、森のスピリットによって育てられることになる。人間とは全く別の世界で… 大自然の中、女の子は美しく幸せに成長した。森や海や鳥たちと語り、椰子の木や魚と戯れた。彼女のしなやかに動く手足は、時には花となり、虹となり、雨となるのだった。 |
●プアナニオケカハカイの踊りこそが、フラの発祥?
そんなある日、浜辺に一艘のカヌーが、通りかかった。カヌーに乗っていたのは、ラアという身分の高い族長(チーフ)。一目見たとたん、浜辺で踊る美女の虜になってしまった。しかし、ラアが呼びかけると、女は恐れて森に隠れてしまう。どうしても、もう一度会いたいと、ラアは来る日も来る日も浜辺に出かけ、ある日とうとうその女に出会った。今度は、女に呼びかけることなく、その代わりにパドルでカヌーのふちを、リズミカルに打ち始めた。女はリズムに合わせて踊った。リズムはだんだん早くなり、女の踊りも早くなった。激しく踊り続けた末、疲れきった女は、ついに砂の上に倒れた。ラアは素早くカヌーから降りると、女を網で包み、連れ去った。ラアは女を、プアナニオケカハカイと呼び、自分の妻として生涯大切にした。
この物語では、プアナニオケカハカイの踊りこそが、フラの発祥だと語っています。フラとは、人が自然と語り合い、自然と一体化する手段だった、ということでしょう。実はこのお話には続きがあります。後にプアナニオケカハカイは、嫉妬深いペレによって、椰子の木に変えられてしまうのです… (つづく)
※かずこさんは昨年11月にお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りいたします。
|
|
コメントを残す