第6回 クレジットカードの取得
●クレジット・ヒストリーって? クレジット・ヒストリーとは、ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(社会保障番号、通称SSN)のもとに管理された個人の支払い履歴のことで、「カード会社のホスト・コンピューターに記録される、カードを使った信用取引の実績をいい、カード会社はヒストリーを基準にして信用度を測り、カードの限度額を上げたり、融資の可否の判定を下すもの」なのだそうです。つまり、簡単にいえば、借金の履歴なんです。これまでに、いくらお金を借り入れ、その支払いが滞りなく行われているのか、いくら借金の残高があるかなど、個人の全ての情報が記録として残り、スコア換算されます。たとえば、持っているクレジットカードに関する情報のほか、車や住宅ローンなどの借入金に関する情報などが記載されています。 このクレジット・ヒストリーに影響する情報は、おおよそ以下のようになっています。 ●クレジット・ヒストリー作るには? SSNがあっても、現実にはクレジット会社の審査に通らないとクレジットカードは作れません。このクレジット会社の審査は、クレジットビューローと呼ばれる第三者機関が管理しており、現実はメインランドにある、いくつかの審査会社が行っているようです。日本でVISAカードを使い続け、「善良で優良なカードホルダー」と自負していた私ですが、たとえアメリカのVISAカードの申し込みをしたとしても、この日本での履歴はアメリカでは全く考慮されません。つまり、アメリカで一度もクレジットカードを作ったことがない私には、クレジット・ヒストリーはない訳で、クレジット・ヒストリーがなければ審査はいとも簡単に却下され、クレジットカードの申請ができない、まるで「ニワトリが先か? 卵が先か?」というような抜け道のない不思議な悪循環に迷い込んでしまうのです。 実は、会社の同僚Sさんと、どうやればクレジットカードを手に入れられるかを、常に情報交換している私。でも、なぜか、「どちらが早くクレジットカードを手に入れるか?」という競争に様変わりしたのです。それでは、ここから私とSさんのクレジットカード争奪・個人メドレー・レースの模様をお伝えします!
●失敗に継ぐ失敗 ユミコ選手、最初のターンで、クレジット審査会社から、「あなたの申請は、残念ながらクレジット・ヒストリーがないため、却下されました」という、たった一枚の紙切れで、まるで社会の一員として認められなかったような回答を受け、ショックを隠しきれず。自分のペースを見失ったようです。ターンの後のキックにキレがありません。それを横目にS選手、堂々の泳ぎでユミコ選手を大きく引き離します。まるで「自分は当然、社会的に認められる人間だ」ということを見せつけているようです。 次の種目で、周りからの大きな声援を聞くと、「プレミオ・カード」というものがあるらしい。息継ぎをするたびに、「日本でのクレジット・ヒストリーも考慮されるらしい」、「このカードで申請が通らなかったら、どこのカードも作れないらしい」という情報が耳に入ってくる。「よし! それなら申請してみたらいいでしょう! とペースを上げてターン」。が、この申請でも、やはり却下されてしまい、最初と同じ文書を受けとってしまいました。隣のコースで一歩先を行っていたかのように見えた同僚S選手、S選手もプレミアカード申請後、私がこの文書を受け取った数日後に同じ文書を受け取り、心乱れた様子。これまでの自信はどこにいったのでしょう? その隙を狙って、追い上げるユミコ。S選手に追いつきました。 コーチから、「何度も申請をして断わられると、それもクレジット・ヒストリーのポイントを下げるらしいぞ」という叱咤を受け、2回も申請を断われてしまっている自分に動揺するユミコ選手。しかしながら、ここは我慢。隣のコースのS選手も何やらコーチから指導を受けている。ここは落ち着いてレースの分析。自棄になったり、心乱れたほうが負け。卵が先かニワトリが先か?(クレジットカードが先か? クレジット・ヒストリーが先か?)の問題を考えると、集中できなくなってしまいますからね。 S選手とほぼ並んでターンしたユミコ選手、しかし、自分に集中している間、S選手の動向を把握できず。最後の種目に入ったときにも「同じだ」とすっかり思い込み。息継ぎをした時に、S選手の様子をキャッチ。すると、その手には燦然と光り輝くメダルならぬ、「JCBカード」。何が起こったか分からずにパニックになっていると、S選手、大きなストロークで一気にユミコ選手からぬきんでて、堂々のゴールを果たしたのです。
●救世主セキュアードカード クレジットカードの信用が確立されれば、アメリカでの社会人としての基盤ができたようなもの。クレジット・ヒストリーが無いために、家を借りるときに余計にデポジットを払ったりしなくてもよくなりますし、住宅ローンも使えるようになります。 外国人だけがこの矛盾の壁に突き当たるとおもいきや、実はアメリカ人でさえこのクレジット・カードには悩まされている模様。でも、親が保証人になったりすることで、彼らは私達よりも楽にカードが作れるようですけどね。長期でアメリカに滞在をお考えの方、将来的にはこちらに住みたいとお考えの方。私のように申請が通らなくなるかもしれない恐怖と戦う前に、セキュアード・カードで地道にクレジット・ヒストリーをためましょう。銀行によってはセキュアード・カードを取り扱っているところもあるようですが、私はハワイではまだ見つけていません。 プレミオカードが、日本でのクレジット・ヒストリーを考慮して発行してくれるというのは本当みたいですけど、私はJ1、SさんはF1のビザステータスだったので、難しかったのかもしれません(日本での自らのステータスを否定したくないため、あえてビザステータスのせいにしておきたい私)。でも、真相は闇の中。クレジットカードの申請が拒否された場合、自分のクレジット・ヒストリーがどうなっているのか確認することができます。私が2回も受け取った「却下」のお知らせに、その連絡先がありますので、どうしても納得のいかない方は、そちらに問い合わせされるといいと思います。それでは、次のレースに備え(何のレースだ?)、私も早速セキュアード・カードの申し込みを行いたいと思います。 ●ミカも一言 ■関連情報 / 「地球の暮らし方 ハワイ」 (Yumiko) |
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