2025年10月16日、ホノルル高架鉄道「スカイライン」の第2期区間がついに開業! 今回新たに、ダニエル・K・イノウエ国際空港(以下、ホノルル空港)を含む4駅が開通し、観光客にとっても移動の選択肢が広がりました。 そこで今回は、「旅行者が交通手段としてスカイラインを活用できるのか?」という視点から、利用方法や注意点を徹底解説! ハワイ旅行をより快適に楽しむためのヒントとして、ぜひご活用ください。

<目次>
1、「スカイライン」第2期が開通!ホノルルの移動がもっと快適に
2、ホノルル空港駅からの乗り方
3、スカイラインに乗ってワイキキへ行ってみよう!
4、スカイラインを日本人旅行者は活用できるのか?
「スカイライン」第2期が開通!ホノルルの移動がもっと快適に
2023年に、オアフ島西部のカポレイ〜アロハスタジアム間でスタートしたホノルルの高架鉄道「スカイライン」。そして2025年10月16日、ついに空港駅を含む第2期区間がオープンしました!
運行時間は午前4時〜午後10時30分に拡大され、早朝の通勤や空港の早朝・深夜便にも対応。さらに、約10〜15分間隔で運行されているので、待ち時間も少なく、観光にもぴったりです。※ただし、旅行者の方には安全面を考慮して、暗くなってからの利用はあまりおすすめしません。
今回の開通に合わせて、オアフ島の市バス「ザ・バス(TheBus)」との連携も強化されました。今回開通したラグーンドライブ駅からは、ワイキキ方面などへ向かう3つの急行路線が新たに運行開始。鉄道とバスを組み合わせることで、ホノルル市内の移動がこれまで以上にスムーズになりました。
地元の人にとっては、交通渋滞のストレスが減り、通勤や通学が快適に。またスカイラインとザ・バスに持ち込める荷物のルールも改訂され、スーツケースの持ち込みが可能となりました。観光客にとっても、新しい移動手段として、スカイラインへの期待が高まっています。
なお、第1期区間の詳しい情報はこちらの記事『ハワイの高架鉄道「スカイライン」の乗車体験記【駅情報や料金など】』をご覧ください。
スカイライン、4つの新駅
各駅にはハワイ語の正式名称があり、地域の文化も感じられる設計になっています。
(ダニエル・K・イノウエ国際空港駅)
・ジョイント・ベース パールハーバー ヒッカム駅(正式名称:マカラパ駅/Makalapa)
第1期に開通していたアロハスタジアム駅の次の駅。主に、米軍基地で働く人や周辺住民が利用。駅名に「パールハーバー」と入っていますが、パールハーバーの観光地「USSアリゾナ記念館」や「太平洋航空博物館パールハーバー」に行きたい場合は、アロハスタジアム駅が最寄り駅なので、ご注意ください。
・ダニエル・K・イノウエ国際空港駅(正式名称:レレパウア/Lelepaua)
ホノルル空港に直結しており、旅行者にとっては非常に便利な駅。空港からワイキキ方面への移動手段として、新設のワイキキ行き急行バス、またスカイライン+急行バスの組み合わせが注目されています。
・ラグーンドライブ駅(正式名称:アフア/Āhua)
この駅からは、ザ・バスの急行路線(A・U・Wライン)に接続可能。ダウンタウンやハワイ大学(UHマノア校)、アラモアナ、ワイキキ方面へスムーズに移動できます。
・カリヒ・トランジット・センター駅(正式名称:カハウイキ/Kahauiki)
現在の終点駅。多くのザ・バスが停車する交通のハブで、スカイラインとの接続も可能となり、ホノルル市内の移動がより便利に。また、バスやスカイラインに乗車する際に、65歳以上の方や17歳以下の方が割引料金で利用できる「シニアHOLOカード」や「ユースHOLOカード」を取得できる「トランジット・パスオフィス」もここにあります。※トランジット・パスオフィス営業時間:月~金、午前7時30分~午後4時まで、土・日・祝日は休業
ザ・バスの新しい急行路線(A、U、Wライン)

スカイライン第2期区間のオープンに伴い、ザ・バスの急行路線が新しく開設されました。ラグーンドライブ駅を出てすぐのバス停から(上写真)、A、U、Wラインの3つの急行路線に乗車できます。旅行者が利用しそうなAラインとWラインは10分~15分間隔で運行されています。運賃はほかのザ・バス同様、1回3ドルです。
※料金システムについては同記事内「スカイラインの運賃」をご覧ください。
なお、ワイキキ行きのWラインはダニエル・K・イノウエ国際空港駅からも乗車でき、空港からザ・バス1本でワイキキまで行くことが可能です。
Aライン:ラグーンドライブ駅と、ダウンタウン、アラモアナ、ハワイ大学(UHマノア校)間を運行 ※Aライン新設により、従来のルートA シティ・エクスプレスは廃止
Uライン:ラグーンドライブ駅と、高速道路H1の利用でハワイ大学(UHマノア校)間を運行
Wライン:空港駅、ラグーンドライブ駅と、カリヒ、カカアコ、アラモアナセンター、ワイキキ間を運行
※ワイキキ内では5カ所に停車:イリカイホテル前、ザ・リッツ・カールトン前、ザ・レイロウ・ワイキキ前、ワイキキビーチ・マリオット近く、ホノルル動物園横
※Wライン新設により、従来のルート20は廃止
空港のWライン乗り場
空港からスカイラインを乗らず、Wライン1本でワイキキに行くことも可能です。空港からワイキキまでの所要時間は約40分です(混雑状況による)。

空港出口から空港にあるWラインの乗り場への行き方は以下の通り。所要時間は徒歩10分弱。
1、空港到着後、個人出口から外へ
2、City Busと表示されたオレンジ色の案内サインに従って進む
3、スカイライン空港駅の改札手前、左側の通路を進む(案内サインあり)
4、サインに従い道路を渡ると、Wラインのバス停に到着
各所にオレンジ色の案内サインが設置されているので、迷う心配はありません。また、ザ・バスは乗車時に現金(お釣りなし)またはHOLOカードでの支払いとなりますが、HOLOカードを持っていない方は、スカイライン空港駅の券売機(クレジット可)で購入するのがおすすめです。お釣りの心配がなく、滞在中何度もザ・バスやスカイラインを利用する場合、料金が大変お得になります。
HOLOカードの詳しい情報はこちらの記事「オアフ島の足「ザ・バス」を乗りこなそう!」をご覧下さい。
注意事項
・空港駅とバス停の間の道路には、横断歩道が整備されていません。横断時は、車に十分ご注意ください。
・バスは10〜15分間隔で来ますが、すぐに列ができるので、進行方向に沿って並びましょう。
各路線の路線図や停車駅はザ・バスの公式サイトをご覧ください。
荷物ルール改定で、スーツケースの持ち込みが可能に!

【2025年10月16日より開始、改定後の新ルール】
・機内持ち込みサイズの手荷物1個+一般サイズのスーツケース1個まで持ち込み可能
今回、空港駅のオープンに伴い、スカイラインとザ・バスの荷物ルールも改訂されました。これまでは、機内持ち込み可能サイズの手荷物1個のみが持ち込み可能でしたが、改定後は、それに加えて、一般的なサイズのスーツケース1個も持ち込めるようになりました。
荷物のルールはスカイラインとザ・バスで共通のため、両者を乗り継ぐ際も荷物に関する心配はありません。
スーツケースを持って乗る際は、通路をふさいだり、荷物で他の席を占領したりしないよう、周りに配慮して安全に乗車しましょう。スーツケースが大きく安全が確保できない場合は、無理せずタクシーなど他の交通手段を検討しましょう。また、ザ・バスとスカイラインは、通勤で使う住民も多く、混雑する時間帯もあるため、乗車時のマナーに気をつけましょう!
<荷物ルールの参考リンク>
・スカイライン:https://www.honolulu.gov/dts/skyline/rules-regulations-and-rider-tips/
・ザ・バス:https://www.thebus.org/HTMLFILE/TheBus/Files/638961326891405904/638961326891405904.htm
◇関連記事:ホノルル国際空港からワイキキまでの交通手段、徹底比較!
ホノルル空港駅からの乗り方
では、実際に空港駅からスカイラインを乗車する際に必要な情報を紹介していきます。
ホノルル空港から、スカイラインの乗り場までの行き方

空港出口からスカイラインの空港駅への行き方は、前項で紹介したザ・バスのWラインの乗り場までの行き方とほぼ同じです。まずスカイラインの駅に到着し、そこからさらに1〜2分ほど歩くとWラインの乗り場があります。
空港から外に出る際は、個人用出口を利用すると駅までの距離が近くて便利です。ただし、団体出口から出てしまっても心配はいりません。その場合でも、オレンジ色の案内サインに従って進めば、問題なく駅にたどり着けます。

個人用出口から駅までは歩いて7、8分で到着。駅に着いたら、券売機でHOLOカードを購入しましょう!
スカイライン乗車に必須のHOLOカードについて(購入場所、購入方法)

ザ・バスと共通で使える交通系ICカード「HOLOカード(ホロカード)」。ザ・バスでは、HOLOカードのほかに現金での支払いも可能ですが、スカイラインはHOLOカードがないと駅構内に入ることができず、乗車もできません。まずは駅の券売機で、HOLOカードの購入とカードへの入金を済ませましょう。
【HOLOカードの購入場所】
・フードランド(Foodland)
・タイムズ・スーパーマーケット(Times)
・ABCストア(1日パス券のみ)
・セブンイレブン(7-Eleven)
・スカイライン各駅の券売機
なお、空港駅のスタッフによると、空港でHOLOカードを購入できるのは空港駅に設置された券売機のみとのことでした。スカイラインに乗らず、空港から直接ザ・バスを利用する場合でも、駅に立ち寄ってHOLOカードを購入しておくと、支払いがスムーズで便利です。
【HOLOカード、券売機での購入方法】

駅の券売機では日本語表示を選択できるため、言葉の心配はありません。画面の案内に従って、HOLOカードの購入と入金を進めていきましょう。

「新しいカードを買う」を選択。HOLOカードは1人1枚必要です。

画面中央に「1 x Adult Card」と表示されました。HOLOカードには、6~17歳の子どもが対象のユースHOLOカードや、65歳以上の人が対象のシニアHOLOカードなど、割引が適用される種類もありますが、券売機で購入できるのは一般用のAdult Cardのみです。
この画面では、「入金」を選択します。

「$3」を選択します。運賃については次の項目で詳しく紹介しますが、1回の乗車賃は3ドルです。ただし、5歳以下の子どもは無料で、カードの購入も必要ありません。
すでにHOLOカードを持っている場合や、まとめて金額を入金しておきたい場合は、3ドルではなく好きな金額を選んでください。右下の「他の金額」を選ぶと、別の金額の選択肢が表示されます。

画面中央に表示されている内容を確認したうえで、「現金」または「クレジットカード」のいずれかの支払い方法を選択します。現金で支払う場合は、お釣りが出ないため注意が必要です。万が一、合計金額を超える現金を投入してしまっても、お釣りは出ませんが、超過分はカードにチャージされるため、無駄になることはありません。
また、複数枚のカードをまとめて購入したい場合は、「カードを追加」を選択することで、追加購入が可能です。

モニターの横に、現金の挿入口やクレジットカードの決済端末が設置されています。ここで支払いを行ってください。
操作中にやり直したい場合は、画面下にある「キャンセル」ボタンを押すことで、初期画面に戻ることができます。
スカイラインの運賃
スカイラインの運賃は、ザ・バスと同じ料金体系が採用されています。
なお、5歳以下の子どもは無料で乗車できます(ただし、大人1人につき子ども1人までが対象です)。
・1回の乗車賃:$3.00
ただし乗車後2時間半以内の乗り換えであれば、追加料金なしで何度でも乗車可能。スカイラインとザ・バス間の乗り換えでも適用。
・デイキャップ(1日の最高引き落とし額):$7.50
1日の乗車料金が$7.50を超えて引き落とされることはありません。3回以上(2時間半以上の間隔をあけての乗り換え)の利用で自動的にワンデー・パス扱いになります。
※ザ・バスでは、HOLOカードを使わずに現金で支払うことも可能ですが、その場合、「2時間以内の乗り換え無料」や「1日の支払い上限(デイキャップ)」などの運賃上限制度は適用されませんので、ご注意ください!
ユース・シニアの割引料金の適用には、ユースHOLOカード、シニアHOLOカードの取得が必要。駅の券売機では取得できず、スカイラインの終点、カリヒトランジットセンター駅下りてすぐにあるパスオフィスが空港から一番近い取得場所となります。
【アカウントの作成】
オンラインでHOLOカードのアカウント作成ができます。アカウントがあるといろいろ便利で安心。HOLOカードのICチップ内に記録されている残金や乗車履歴などの情報がオンラインのアカウントと連携されるので、万が一ホロカードを紛失したとしても残金分を新しいホロカードに移行したり、デイキャップやマンスキャップに必要なそれまでの乗車履歴を引き継ぐこともできます。
アカウント作成はこちらからどうぞ。
駅構内にトイレがないので注意を!
スカイラインの各駅にはトイレが設置されていません。日本では可能な「駅に着いたら、お手洗いへ…」ということが出来ないので、事前に済ませておきましょう。
スカイラインに乗ってワイキキへ行ってみよう!
空港からザ・バスのWラインを利用すれば、スカイラインに乗らずワイキキへ向かうことができますが、今回はスカイラインを体験してみたい方向けに、スカラインとザ・バスのWラインを乗り継いでワイキキへ行く方法をご紹介します。運賃はたったの3ドル! スカイラインからザ・バスへの乗り継ぎにもHOLOカードが使えて、1人3ドル(5歳以下は無料)で空港からワイキキまで行けます。
空港からワイキキへの行き方は3ステップ!
①空港駅からスカイラインに乗車
②次の駅、ラグーンドライブ駅で下車
③改札からすぐのバス停でWラインに乗車し、ワイキキまで約30分!(※渋滞がない場合)
1ステップずつ、注意点なども踏まえながら細かく紹介していきます。
①空港駅からスカイラインに乗車

HOLOカードの準備ができたら、改札機にタッチして入場しましょう。運賃が無料の5歳以下の子どもと一緒に通るときや、大きな荷物を持っている場合は、幅広タイプの改札機も設置されているので、そちらを利用するとスムーズです。

改札機を抜けると、左手にエレベーター、右手に階段があります。いずれかを利用して、中間階まで上がります。エレベーターでは「C」階を押してください。こちらのエレベーターで「PL」階に行くと、西行きのホームに出るのでご注意ください。
今回ザ・バスを乗り継ぐラグーンドライブ駅は東行きです。

中間階に降りたら、「Eastbound(東行き)」の案内表示に従って進み、別のエレベーターに乗り換えて「PL階(東行きホーム)」へ向かいましょう。

エレベーターを降りると、目の前がすぐホームなので、迷う心配はありません。

②次の駅、ラグーンドライブ駅で下車

空港駅から、ザ・バスのWラインに乗り継ぎ可能なラグーンドライブ駅で下車。空港からひと駅で2分で到着します。
③改札からすぐのバス停でWラインに乗車

ザ・バスの急行路線が停車するバス停は、駅の改札を出てすぐ左手にあります。改札口からは標識の裏側しか見えないため少し分かりづらいかもしれませんが、そのまま少し進めばすぐに見つかるのでご安心ください。

駅横には、ザ・バスを待っている間に休憩できるベンチも設置されています。

Wライン乗車後、渋滞がなければ、30分ほどでワイキキに到着します。
4、スカイラインを日本人旅行者は活用できるのか?
空港からの移動手段として利用可能?
さて、第2期区間のオープンに空港駅が含まれていることにより、「空港からワイキキまでスカイラインで行けるのか?」という点は、多くの旅行者が気になるところではないでしょうか。
今回、荷物に関するルールが緩和され、スーツケースの持ち込みが可能になったことは大きな進展です。現在、スカイラインだけでワイキキまで行くことはできませんが、この新しいルールはスカイラインだけでなくザ・バスにも共通して適用されているため、空港からザ・バス1本でワイキキへ向かうことも、スカイラインで途中まで移動してザ・バスに乗り継ぐことも可能になりました。
さらに、スカイラインでもザ・バスでも、わずか3ドルでワイキキまでアクセスできるという、コスト面での魅力も大きなポイントです。乗り継ぎもスムーズで、交通費を抑えながら快適に移動できます。
便利さを重視するなら、空港から乗り換えなしでザ・バスのWラインに乗ってワイキキへ向かうのがスムーズですが、スカイラインに乗ってみたい方は、途中まで鉄道の旅を楽しんでからバスに乗り継ぐという選択もおすすめです。
コオリナ・リゾートへは、スカイラインとライドシェアを乗り継ぎ
移動も観光のひとつに。スカイラインで楽しむハワイの風景

また、今回の延伸により、スカイラインはカリヒ・トランジット・センターまで到達しましたが、観光の中心地であるアラモアナやワイキキまではまだ距離があり、スカイライン単体ではアクセスできません。
とはいえ、スカイラインの車窓からは、オアフ島の街並みや山々、遠くに広がる海など、ハワイらしい景色を楽しむことができ、移動そのものがちょっとした観光体験になるのも魅力のひとつです。また、車両の一番前や一番後ろの座席では、まるで運転しているかのような景色を楽しむことができ、特に子ども連れの方にはおすすめです。
スカイラインの乗車体験を楽しみながら、沿線近くのパールハーバー観光(アロハスタジアム駅)や、ローカルに人気の駅近モール「パーリッジ・センター」(パールリッジ駅)などを訪れてみるのもおすすめです!
◇関連記事:鉄道計画「スカイライン」、カカアコまでの第3期工事に着手





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