ミシェル・ウィーとシャカサイン
ホノルル出身のミシェル・ウィーちゃん(24)が週末に行われた女子ゴルフのメジャー大会全米女子オープンで見事初優勝を果たしました。
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小学生のころからゴルフの天才少女として地元のニュース番組で紹介されるなど、注目されていた彼女。2004年のPGA男子ツアー「ソニーオープン・ハワイ」にわずか14歳で出場したり、女子のメジャー大会にも「予選免除」の特別待遇で出場を認められるなど、彼女の活躍に大きな期待が寄せられましたが、大きな大会で長らく好成績が残せぬまま、苦戦を強いられました。
まだミシェルちゃんが12歳ぐらいだったでしょうか、私と夫は近所の中華料理店でウィー親子と隣席になりました。夫はミシェルちゃんが自分と同じ「五目あんかけ固焼きそば」を注文し、ペロリとたいらげてからというもの、「大食い、早食いに親近感を覚えた」と彼女を応援しています(苦笑)。
15歳になったミシェルちゃんは、出場した全米オープンで3日目に首位に立つも、最終日に大きく崩れ、11オーバーの23位に終わりました。スポーツキャスターの「勝っていたらタイガー以上に注目されたはず」というコメントや、「大した成績もおさめていないくせに騒がれすぎ」といった批判の声に対し、地元ハワイのスポーツキャスターが番組の中で言い放ちました。「彼女はゴルフを勉強中の15歳。ベテランゴルファーと勘違いするな」と。
先日、ミシェルちゃんが全米オープンで初優勝を決めたあと、地元のニュース番組ではスポーツバーやゴルフ場のクラブハウスでテレビを観戦していた人たちにインタビューしていました。ほとんどがお父さんやおじいちゃんといった年代の人でしたが、みなさん「優勝」はもちろん、ミシェルちゃんが笑顔で、楽しそうにプレーしていたのが嬉しかったと語っていました。「これからはもっとゴルフが楽しくなるでしょうね」って。
ハワイの人たちは、海外や米本土などで活躍するハワイ出身者を、まるで家族や友人のように一生懸命応援します。ちょうど10年前のことです。米国で大人気のスター発掘番組「アメリカンアイドル」でオアフ出身の高校生、ジャスミンちゃんが出場したときも、ハワイの老弱男女が、それぞれ自分たちの「友人」「妹」「娘」「孫」を応援するような気持ちで、彼女を見守りました。
投票で勝者を決める「視聴者参加型」の番組ですので、人口の少ないハワイ出身のジャスミンちゃんに対し、「1家庭に電話が5本ひかれていない限り勝ち進めないだろう」と審査員が告げたことで、ハワイ住民が立ち上がりました。結局ジャスミンちゃんは多くの人たちの応援もあって、トップ3まで勝ち残るという快挙を果たしたのでした。
ジャスミンちゃんをはじめ、これまでミスユニバースやミスアメリカに輝いたハワイ代表も、メジャーリーグなどのスポーツ界で活躍するハワイ出身の選手も、皆一様にカメラに向かってシャカサインをします。オバマ大統領も就任パレードで、ハワイの母校のプナホウスクールのマーチングバンドが通過した際に、シャカサインで迎えました。
ハワイに来たばかりのころ、シャカサインはピースサインのような、単なる写真撮影のときのポーズとしか考えていませんでした。ハワイで暮らすようになって、いろいろな場面でシャカサインに遭遇し、また国際舞台で活躍する人たちのシャカサインを見つづけるうちに、「なんと温かい、なんと頼もしいサインなんだろう」と感じるようになりました。そして優勝を決めたミシェルちゃんのシャカサインを見たときに気付きました。
国際舞台で頑張っている人たちがカメラに向かって見せるシャカサインは、ハワイの人たちに対し「見守っていてくれてありがとう」「やったぞ」「みんなの声援届いているよ」という思いが込められているから、温かくて頼もしいんですね。
夫も「ミシェルちゃんのシャカサインは、五目あんかけ固焼きそばより嬉しかった」と感動していました。
写真を撮るときはシャカサインがお決まりの娘。いまのところ「見守っていてありがとう」という思いはまったく込められていないようですけどね。
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