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キョーコ

「とざす鍵」を捨てるということ

投稿者: キョーコ
投稿日: 2014年11月19日
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かつて経験したことのない強烈な腰の痛みに襲われて早3カ月。フィジカルセラピーに通い、腰の牽引とマッサージ、そして毎回「イテテテテ…」と苦しめられたストレッチのお陰で、腰の具合もかなり良くなりました。

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運動も日課として続けるようにアドバイスされ、10年ぶりぐらいにウォーキング用シューズを買いました。

真新しい靴がうれしくて、さっそく家族でマカプウトレールにハイキングへ。セラピストに報告したら、「あまり最初から頑張っちゃだめですよ。しばらくは平地を歩きなさい」と注意されてしまいました。トホホ…。

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私の悪い姿勢やコチコチのかたい体を矯正してくれる担当のセラピストの方をはじめ、私が通うフィジカルセラピーのスタッフはとても良い人ばかりなのですが、1人だけちょっと苦手な人がいます。

ここ2回、私のストレッチを担当してくれた20代前半と思われる男性です。態度が悪いとかそういうのではないのですが、なぜか一緒にやっていてリラックスできないのです。彼が居心地悪いのがこちらにも伝わってくるというか。

これまで楽しみにしていたセラピーでしたが、また彼が担当になったら、と思うと、通うのが憂鬱になりました。

そんなときに以前読んだ山田ズーニーさん(文章表現講師)のエッセイを思い出しました。人を嫌いとか苦手と感じて、その人をすぐに避ける行為は「とざす鍵」を手にする行為というのです。たとえば「その人が来るから集まりに欠席する」とします。するとその人だけでなく、そこに集まってくる人も新しい出会いも新たなつながりも断ってしまうことになるというのです。

『「嫌い」というたったひとつの想いが、あっという間に、バタバタといくつもの扉を閉ざして、鍵をかけてしまう』

ハッとしました。インタビュー好きの私が、ある日突然、知らない人と話をするのがとても苦手になりました。2、3年ほど前からです。

億劫になったのか、怖くなったのか、知りたいという想いが薄れたのか…

それともホルモンバランスの乱れからか…

とにかく、このエッセイのお陰で目が覚めたというか、これからの人生において、絶対プラスになることを自ら拒んでしまっている…そんな自分にびっくりしてしまったんですね。

そのあと、何人かの友人に自分の現状を説明してみました。みんな、厳しくてこわかったけど、とても温かかった。そして頑張って「とざす鍵」を捨てることにしました。

先日、セラピーで、あのちょっと苦手な青年がまた私のストレッチの担当になりました。牽引のベルトを外し、相変わらず居心地悪そうな彼が「腰はどうですか」と訊ねてきました。

「ちょっと良くなりました」といつものように答えたあと、「この牽引器は気持ちいいね。家にあったら一日中やってるよ、きっと」と言ってみました。青年は「ハハハ」と笑って、ストレッチを始めると「日本からですか」と質問してきました。

「神奈川です」と答え、とざす鍵を捨てた私は「日本へ行ったことある?」と。そしたら彼は日本が大好きで、もう5、6回行っているというのです。しかも元野球少年で、日系部隊・第442連隊の祖父を持つ彼は、442連隊関連の親善試合でほぼ全国をまわったそうです。

それからは「日本語を勉強しているが難しい」ことや、好きな食べ物、日本人の礼儀ただしさや、日本人の野球コーチが「スッゴイ厳しい」とか、ストレッチが終わるまで彼のおしゃべりは止まりませんでした。

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「とざす鍵」を捨てるって、ちょっと勇気がいりますが、やっぱり素晴らしいことなんですね。ちょうどマカプウトレールの頂上から真っ青な海を眺めたときのような、清々しい気分になりました。

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