第1回 情報収集
青空に映える白亜のチャペルは女の子の永遠の憧れ |
●プロローグ
ウェディング・プランナーに憧れていた時代があったことを、ふと思い出しました。全く予定がないにもかかわらず、結婚情報誌を買っては細部にわたって研究したり、ホテルのブライダルフェアに足を運んだりしていたあの頃… 「アヤにも、そんな乙女チックな時期があったの?」と言う声が周りから聞こえてきそうだけど、結婚自体には興味がなくても、結婚式を夢見る女性って結構いるんじゃないかなぁ…
あれから数年の月日が経ち、ウェディング・プランナーの夢もすっかり忘れていた私。だけど、この10月に結婚式を挙げる立場になってしまいました。しかも、異国の地、ハワイで…
2001年をすぐそこに迎えようとしていた12月のある夕暮れ、ハワイでの半年の留学生活も残り3週間という時のことでした。学校のパーティー・アニマルなお友だちに誘われ、ある屋外バーに行くことになったのです。これが、私の生涯のパートナーとなるトッド君との運命的な出会いでした。彼は、私の友だちの友人の同僚で、偶然その場に来ていたのでした。
最初は、見ていて「面白い人だなぁ」とか「中学の時の同級生に、似ているなぁ」とか、そんなことをぼんやりと考えていまいした。そして、彼が少し席を立ち、しばらくして戻ってきた時、たまたま空いていた私の隣りに座ったのです。これをきっかけに、お互いに自己紹介。私は、「3週間後には日本に帰る予定なんだよ」などと、明るく話をしていたことを思い出しました。
その時です。突如、私の携帯が鳴りました。当時、私の携帯はレンタル(通話料が1分$1.25と高め)だったため、発信番号を見ると次のパーティーで合流するお友だちと分かり、自分の電話は使わず、初対面のトッド君に失礼にも「電話貸してくれる?」と、事情を話してお願いしたのでした。彼は自分の携帯を私に差し出して一言、「君の電話番号を教えてくれるなら、いいよ」。
こうして始まったハワイ育ちのロコ・ボーイ「トッド君」と日本育ちの私「彩」の国際カップルが、これからどんな結婚式を計画するのでしょうか? 日本人カップルの挙式とはひと味もふた味もちがう、「ロコ的結婚式」を今後、ご紹介します!
いろんなブランドのウェディングドレスを見られるのが利点 |
●まずは情報収集
◎ブライダルフェア
ハワイで、トッド君のお友だちの結婚式に何度も出席してきた私たち。だけど、もちろん自分たちの挙式を計画するのは初めて! 「何から、どう始めたらいいのか」分からず、結婚式についても、「特にしなくてもいいんじゃない」なんて、気楽に考えていました(ハワイで国際結婚をする場合、結婚式は宣誓だけって人も案外多いようです)。
そんな1月のある週末のこと。ワード・エリアにあるニール・ブレイズデル・センターで、「ブライダル・エクスポ」が開催されることを知り、賞品目当て半分に、「行ってみようよ」と、トッド君はすでに入場料1ドル引きのクーポンをゲットしていました。
ここでは、ホテルやフォトグラファー、メイクアップ・アーティスト、ウェディング・ドレスを取り扱う会社や、その他もろもろのパンフレットを集めたり、実物を見たり、説明を聞いたりすることができたのです。実際、その会社を個別に訪問しなくても、その場でスタッフの雰囲気やサービス内容、料金などが分かるので本当に便利。ドレス&タキシードのファッション・ショーもあったりして、内容はなかなか充実していました。
二人で広い会場を歩き回り、すでに時間は3時間以上。帰る頃には、パンフレットの山にややうんざりしつつも、一歩前に踏み出したような気がして嬉しかった(賞品は当たらなかったけれど!)私たちでした。帰り道の途中、この間、何にも飲んでいなかったことに気がつき(喉の乾きも忘れるほど、熱中していたのかな!?)、サラサラの氷で有名なワイオラ・シェーブアイスへと意気揚々と車を走らせたのでした。
今後のブライダル・エクスポの予定は7月と来年1月で、ウェディング・エクスポは4月と11月の予定です。興味のある方は是非、立ち寄ってみてくださいね。
ウェディング関連の雑誌は国内外にいろいろあるので便利 |
◎情報誌
挙式の場所探しに役立ったのが、日本の情報誌「地球の歩き方ムック 海外挙式&ハネムーン」。写真や立地条件をチェックし、彼といろいろと見学にも行きました。ハワイにも、ハワイ・ウェディングの雑誌があります。「ハワイ・ブライド&グルーム」、「パシフィックリム・ウェディングス」の2つです。これらは、まさしく結婚式を間近に控えたロコのバイブル的存在。ロコの結婚式やハワイらしいデコレーションの美しい写真が多く、アイデアがどんどん浮かんできて、見ているだけでも十分に楽しめます。
◎インターネット
今の時代、便利なのはやっぱりインターネットですよね。雑誌を手に入れる前は、インターネットで日本の海外挙式を取り扱うブライダル会社のページをチェックしました。というのも、ハワイで日本の雑誌は倍の値段もする(古本屋さんもありますが)のです! また、ハワイで実際に挙式をしたという日本人カップルの個人ウェブサイトなども、とても参考になりました。全く、ボーダレスな世の中になりましたね。
ウェディング・カフェは挙式前のカップルの駆け込み寺のよう |
◎番外編
残念ながら、まだ私は足を運んでいないのですが、マノア・マーケットプレイスにある「ウェディング・カフェ」は、いま結婚式を計画中のロコガールたちが貴重な情報を収集するために集う場所で、いわば挙式前のカップルにとっては駆け込み寺のよう。カフェあり、ライブラリーあり、ワークショップあり。私も、近々訪れてみようと思っています。
●ちょっと変わったロコの伝統
新婦の忍耐力を試す?! 1001羽の折り鶴フレーム |
日本じゃ聞いたこともない、ロコの結婚にまつわる伝統。それは「花嫁さんが、結婚式までに鶴を大量に折ること!」。主に、金色の小さな折り紙で1001個なのです。これは1960年代から始まった慣習だそうですが、現在では業者にお願いすることも多いようです。鶴を重ねて家紋や寿、愛などの漢字、動物などを型取ったアートにしてフレームに入れ、結婚式のディスプレイにしたり、二人の新居に飾ったりするようです。鶴は幸運や長命のシンボルであることはハワイでも同じ。でも、「なぜ、花嫁さんが折り紙を1001も折るのか?」。答えはズバリ、妻となる女性に「忍耐」を教えるために始まったということだそうです。
以前、たまたまこの折り紙アート屋さんの前を通り過ぎたことがあります。トッド君は、日本人女性ならみんな結婚前にこのオリガミ・クレーン(鶴)を作ると思っていたらしく、私の「まっさかぁ〜!」という反応にひどく驚いた様子。「アヤ、知らないの??」と私の日本人アイデンティティーを疑うかのように見つめる彼… 果たして、日本のどこかに、こんな伝統をもつ地域があるのでしょうか?
●アメリカの古い伝統をひとつ
日本では、結婚式の費用は誰が払うというルールは特にありませんよね。だいたいは折半したり、出席者の数に合わせて自分側の分を負担したりするのが普通だと思います。しかし、ここアメリカでは花嫁の家族がほとんどを負担する、というのが慣例だったそうです。私の知っているハワイ大学の女性教師もそう言っていました。でも、これはあくまで「昔の話」なので、これから国際結婚を考えている女性の皆さん、決して心配しないでね。
次回は、トッド君と私が綿密な研究を重ねて選んだ挙式の場所をご紹介します。どうぞ、お楽しみに!
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