第10回 マノアにお引越し
●引越しました 慌てて外回りを確認したところ、裏庭には足跡らしきもの、そして窓には手形らしきものが… ひえーっ! 自分の身は自分で守るしかありません、というわけで、リース契約がまだ残っているにも関わらず、とりあえず引越しすることにしたんです。ハワイといえどもここはアメリカ社会。皆安全に対する気構えはすごくしっかりしています。この事件があった後、私の両隣2軒も一斉に引っ越すことになったんです… セメスター(学期)の途中という不便な時期にも関わらず引越しを敢行することにした私、まず何はなくとも住むところを見つけなければいけません。しばらくプライバシーが確保したくて、1人で住んでいましたが、今回の経験で思いっきり肝が冷えたので、ルームメートが欲しくなりました。なので、探す物件は大きな家の一部屋。ハワイ大学の近く、マノア地区にはたくさんの豪邸が建っているのですが、数人の学生が共同で家を借りていることが多いんです。インターネットのページでそのような物件をいくつかピックアップしたあと、見に行くことにしました。 何といっても重要なのはルームメート。できたら「大人」の大学院生で、アジアに偏見のないフレンドリーな人々と住みたいと、その辺を念入りに考慮した結果、ロウワー・マノアの一軒家に落着きました。ここは大学からたったの2ブロックで、3階建ての豪邸に11人の大学院生たちが住んでいます。2人の管理人さんたちも常駐していて、部屋は清潔そのもの。ワイヤレスインターネットは無料だし、パーキングもついていて、なのに家賃はすごく安いんです。難点は台所とバスルームが共同、ということなんですが、この際贅沢は言ってられません。というわけで、長年住んだモイリイリを離れ、マノアの住人になりました。 |
●学生の街マノア 今まで住んでいたところは、半裸の子どもたちが走り回り、道端にはごみが散らばっているような庶民的な横丁で、それはそれで温かみがあってよかったんですけど、つねにどこからか怒鳴り声や罵り合う声が聞こえたりして、気は抜けない雰囲気だったんですよね。でも、マノアはすごく静かで、平和で、気を張り続けなくていいので、住んでいてとても楽なことがわかりました。勉強もこころもちはかどるような気がします。 マノアの中心はマノア・マーケットプレイス。セイフウェイとロングスという2件のスーパーを中心に、小さなレストランやベーカリー、カフェなどが並ぶこぢんまりとしたショッピングセンターなんです。道を挟んで、スターバックスもあるし、近くにはシアターや他の個性的なお店もあったりしていい雰囲気です。この間の日曜日には、スターバックスでクラスメートと、引退した教授と色々話しながらお茶をして、とてもアカデミックな半日を過ごしました。 |
●典型的なマノア住民、学究(がっきゅう)さん達 彼らより少々若いタイプの学究さんたちは、メインランドやヨーロッパ、アジアからの貧乏学生、留学生たち(失礼! でも私もです)からなり、結構夜遅くセイフウェイでフルーツなどを買い物していたりします。基本的に年配タイプと似ているんですが、着ているものはビロンビロンのTシャツが多く、たまにそのTシャツにひとひねりしたメッセージが入っていたりします。バックパックは本でパンパンに膨らんでおり、まったくもっていまどきの若者にはない、地味な雰囲気を醸し出しています。 私も基本的にはこのタイプに属すると思うんですよね。大人大学院生だし、雨漏りのする超おんぼろな車に乗っているし、政治見解はリベラルだし、そして貧乏だし。ただ、日本で社会人を経験しているせいか、どこか俗気が抜けないというか、学究に徹しきれないところがあって、中途半端な感じなんです。多分、ワイキキやアラモアナではまず見かけないタイプの学究さんたち、私は結構好きで、憧れてさえいるんですけどね。 というわけで、引越しも無事終わり、楽しいマノアライフを満喫しています。マノア・マーケットプレイスは、アラモアナからだと6番のバス、Woodlawn行きで1本ですので、お暇な方は是非訪ねてみてくださいね。 |
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