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ハワイ歩き方事務局
人気連載「ハワイ大学留学 B級ライフ」

第03回 夏だ! 祭りだ! 盆ダンス!

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2005年09月01日

第3回 夏だ 祭りだ 盆ダンス


「盆ダンス」は、日本から遠く離れたハワイでも先祖を供養するお祭りとして受け継がれています

●ハワイの夏の風物詩
暑い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
長かった夏休みもやっと終わり、UH(ハワイ大学)も秋学期が始まりました。でも、盆ダンスシーズンはもう少し続きます。ということは私の夏はまだまだ終わらないと言うことで。
って、いきなり「盆ダンス」なんて連呼してしまいましたが、何のことだかわかりませんよね、申し訳ありません。盆ダンスとはいわゆる盆踊りのことです。沢山の日系の人々が住む、ここハワイ。日系一世の人々が、故郷を思い、祖先を供養するために、プランテーション農場で始めた盆踊り。今でも彼らの子孫、3世や4世の人々によって、盆ダンスとしてしっかり受け継がれています。

大体6月の半ばごろから、ハワイのあちこちで盆ダンスが始まります。ハワイにはいくつかの盆ダンスクラブがあって(岩国盆ダンスクラブ、福島盆ダンスクラブなど)、クラブごとに参加する盆ダンスが決まっています。それぞれのクラブごとに踊る曲や、振り付けなどもそれぞれ個性があります。
私は、YOH(ヤング・オキナワンズ・オブ・ハワイ)というクラブに所属しています。 YOHに参加して今年で3年目、ハマればハマるほど深い盆ダンスの世界。今回は、盆ダンスマニアの私が、内側から見た盆ダンスワールドをレポートしてみたいと思います。


子供たちにも大人気 獅子舞も盆ダンスには欠かせません

●異国で日本人であるということ
YOHは、若い世代のローカルのオキナワン達(3世、4世)たちによって作られたサークルで、盆ダンスや獅子舞などの文化活動以外にも、病院の慰問や沖縄系の年配の方々を招いたお食事会などのボランティア活動、アンダギーの販売やクラフトフェアのお手伝いなどのファンドレイズイベント、ベガス旅行やピクニック、ボウリング大会などのソーシャルイベント、そしてバレーボール、テニス、ソフトボールなどのスポーツリーグにも参加しています。
私はオキナワンではないのですが、ローカルの友人に誘われてこのクラブに入りました。オキナワン以外でも、配偶者やボーイフレンド、ガールフレンドがオキナワンの人々、沖縄の文化が大好きな人々など、「オキナワンの心」を持った人なら誰でも大歓迎の風通しの良いクラブなんですよ。
私はここに入ったおかげで、ローカルの友達が沢山出来たし、日本人という自らのアイデンティティについても、色々と再発見することがあったりして、本当に貴重な体験をしていると自負しています。ただの留学生から一歩踏み込んで、ハワイに自分の居場所を見つけたというか、築いたというか。

YOHには日本から来た日本人はほんの数人しかいないので、日本について聞かれることが多々あります。YOHのメンバーたちは大体が3世か4世で英語しか話せません。が、ちょっとしたところで、私よりもずっと日本的だったりして、勉強になることが多いんです。たとえば、私にとっては、お祭りの延長のようなものだった盆踊り、ローカルの友人達は、先祖の供養と文化の継承のための重要なイベントとしてとらえています。年に一度、会いに来てくれる御先祖様たち、私の亡くなった祖父母も、ハワイに移民して日本の地を踏むことなく亡くなった二人の大叔父たちも、きっと私たちの盆ダンスを楽しんでくれたことでしょう。


衣装とドラムが揃ったら、本番まではひたすら「練習」の日々…

●盆ダンスの準備
盆ダンスシーズンは大体5月頃からはじまります。実際の盆ダンスは6月半ばから9月までなのですが、衣装を用意したり、練習したり、と様々な準備が必要なのです。私たちのクラブはドラマーとダンサーに分かれていて、それぞれ衣装がちがいます。ドラマーはトラディショナルな沖縄のエイサーの衣装、ダンサーはハッピーコート(はっぴ)に帯と鉢巻、黒のズボンです。新しく盆ダンスに参加する人々は衣装作りから始まります。メンバーの家に集まって、わいわいとしゃべりながら衣装を縫っていきます。男性も女性も、基本的に自分の衣装は自分で作るので、よーくみたらアラが目立つのですが、全員揃ったらなかなか格好いいんですよ。黒、紫、黄色と金色が私たちのテーマカラーなんです。
衣装が揃えばドラム作り。私たちは必ず最初に「シチグワチ(七月)エイサー」という曲を並んで踊るのですが、その後ダンサーは手に持ったパーランクーというドラムを会場に来ている小さい子どもたちにプレゼントするんです。で、そのためのドラムを、ダンボールで何百個と手作りするというわけなんです。小さい子どもたちは大喜びで、その後の曲でもドラムをたたきながら踊ってくれて、なかなか喜ばれています。
あとは練習。盆ダンス本番まで、毎週毎週、お寺やメンバーの家で練習します。新しく参加した人たちにベテランメンバーが指導したり、かなりシリアスに練習するので、盆ダンス当日には全員ばっちり踊れるようになっています。今年は高校生のメンバーが振り付けした新しい曲が2曲加わったので、私もせっせと練習に通いました。


ハイタッチや指笛など、踊り方はアメリカンです

●盆ダンスへの熱い思い
さて、盆ダンス当日。早めに会場入りしたら、とるものもとりあえず乾杯 私たちのクラブには大酒のみが多いので、ことあるごとに集まっては飲んでいるのですが、盆ダンス当日は気分が高揚しているため、ますます美味しく感じられます。
毎年ワヒアワの盆ダンス会場では、ポットラックが行われるのですが、もうこれだけで大食いの私は大興奮。メンバーによって持ち寄られた何十種類もの食べ物を前に、手足をバタバタさせつつあれこれ味見しているうちに本番の時間。飲んで食べて気分が高揚しているためか、かなり我を忘れて踊ってしまいました。盆ダンスとB級グルメは切っても切れない関係、カフクでは踊る前にジョバンニの海老を食べてガーリックフレーバーにつつまれながら熱演、パールシティではお寺の皆様からの振る舞いの美味しいディナーで思わず落涙などなど、たまらなく幸せな気分になりながら、盆ダンスナイトは暮れていくわけで。
YOHは他の盆ダンスクラブに比べ、割と年齢層が若いので、踊りも激しくかなり盛り上がります。ヒューヒュー叫んで、指笛を吹いて、一曲終わるごとにハイタッチ。周りの観客まで巻き込んで大盛り上がりです。通常盆ダンスの外側の輪は一般の人々なのですが、毎回YOHの盆ダンスに駆けつけてくれる常連さんも多いです。踊りながら、周りの人々とあれこれしゃべったり、ハイタッチを交わしたり、げんこつをぶっつけあったりするのはアメリカっぽいですよね。カフクに行ったときは、日本語を話される御年配の方がいらっしゃったので、色々とお話しました。ずっと昔に日本を離れて、ホノルル市内からも遠いカフクという小さな町で、故郷を思いながら踊る盆ダンス。感慨深く、胸に迫るものがありました。

シチグワチエイサーで幕を開け、ドラムを子どもたちに配りながら、輪をつくり、伝統的な沖縄民踊を数曲(一番すきなのは「安里屋ユンタ」です。サーユイユイっと。)、エレクトリックスライドのような「アシビナー」を踊ると、新しい曲「ツイスト」と「リンボーロック」で盛り上げつつ、獅子舞が登場してきます。獅子舞の背後では、エイサー「ミルクムナリ」を踊ります。獅子は大きいのと子供のと2体いるのですが、これがすごいんですよ。宙を舞ったり、子供を追いかけたり。獅子が登場すると、子どもたちは我先に1ドル札をもって獅子に食べさせようとするのですが、それがなかなか上手くいかなくて、キャーキャー大騒ぎが起きるんです。獅子が引っ込むと、軽快な三線のリズムと共にカチャーシー(両手を頭の上で風がそよぐように動かしながら踊る沖縄特有のアレです)タイム。大盛り上がりしつつ盆ダンスの夜は暮れていくのです。さて、盆ダンスシーズンも終盤をむかえました。ハワイにお住まいの皆様も、日本からいらっしゃる皆様も、是非一度盆ダンスに参加してみませんか?

ハワイの盆ダンスカレンダー:the.honoluluadvertiser.com

今月のB級ライフ・アドバイス
1. 盆ダンスは誰が参加してもいいんです。是非一度参加してみてくださいね。
2. 各盆ダンスクラブ毎の演目や振り付けの違いに注目してみましょう。
3. 中央の輪にいる人たちをお手本に踊ってみましょう。

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