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Akiko
人気連載「ハワイの新名物を探せ!」

第17回、シローズ・サイミンについて熱く語りぬきたい!

投稿者: Akiko 更新日:2015年12月04日

Shiro's Saimin Haven

アロハ~! 
ハワイ大食いクラブが太鼓判を押した「知る人ぞ知る逸品」が次々と登場するこのコーナー、編集部が「本当に美味しいっ!」と太鼓判を押すお気に入りの味を、「ハワイの新名物」としてどんどんご紹介しています。大食いクラブと一緒に、意外と深~いB級マニアの世界を楽しんでくださいね♪ 読者の皆様の投稿も募集しています。皆様が「これこそ新名物!」と思う美味しいものを教えてください。投稿はこちらまでEメールでどうぞ。

ハワイの新名物を探せ! 第17回、シローズ・サイミンについて熱く語りぬきたい!

●癖になる美味しさと居心地の良さ

シローズ・サイミン

 

Aloha、明子です。今回は「新名物」と呼ぶにはあまりにも老舗、既に一大名物ではありますが、日本の方にはあまり知られていないお気に入りのお店を紹介したいと思います。

私がハワイに来てもうすぐ17年。いつも書こう書こうと思いつつ、ついつい後回しにしていた名店、「Shiro’s Saimin Haven(以下シローズ・サイミン)」について、今日は心行くまで語ってしまおうと思っているのです。よし、腹は括った! なぜ、ついつい後回しにしていたかといいますと… まず、なんといってもお店の創始者で2012年に93才でお亡くなりになった、「ミスターサイミン」ことフランツ松尾四郎さんのキャラクターが良い意味で非常に濃く、若輩者でハワイ生まれでもない私にその素晴らしさを過不足なく伝えきれるかどうか自信がなかったから。そして、このお店の魅力を語りだすと、止まらなくなる恐れがあったからなのですね。でも、もう待てない、抑え切れない…ので、今日は熱く語ります、語りぬいちゃいますよ! B級グルメファンの皆様、最後までどうぞお付き合いよろしくお願いします。

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サイミンとは、ラーメンに良く似たハワイならではの麺料理で、ハワイのプランテーション農場を発祥としています。麺は中華麺風の太麺ですが、スープはいくぶんあっさり。干し海老やカツオの出汁が効き、和風の柔らかな味わいが特徴です。それだけだと、やや弱いので、マスタード醤油(からし醤油)をちょこっと付けて、すすりこむのが正しい食べ方。ガーニッシュ(トッピング)には、青葱とバカボンのほっぺのような「鳴門かまぼこ」、チャーシューの細切りなどが一般的。シンプルながら奥が深い食べ物で、ハワイではとても愛されています。また、サイドとしてビーフスティック(ビーフの照り焼きを串に刺したもの)などを一緒に注文することが多いですね。

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シローズ・サイミンは、ワイマル・ショッピング・センター内にあります(他にエヴァにもお店あり)。ちょっぴりレトロな感じで雰囲気バツグンのワイマル・ショッピング・センターには、カピオラニ・コーヒーショップやジッピーズ、Pho Five-0、歌舞伎など、知る人ぞ知るB級グルメの名店がずらりと並び、古き良きハワイ感があふれています。

シローズ・サイミンは入り口左側がテイクアウト専門カウンターになっており、ドアを開けると奥深いL字型の作りになっています。お店に入ってびっくりするのは、店内の壁にビッチリと「Dear heart…(ディアー・ハート)」から始まる、詩のような格言のような言葉が飾られていること。これらはすべて「ミスターサイミン」として、人々から愛されてきた創始者のフランツ松尾四郎さんによる人生哲学なのです。ミスターサイミンのポエムはどれもシンプルで核心を突いていて、フムフムと頷いてしまう言葉ばかり。ちなみにミスターサイミンのポエムの一部はこちらのページで読むことができますよ。さらに壁面には、子どもたちのイラストや塗り絵もたくさん貼ってあって、ほのぼのとしています。

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私が始めてシローズを訪ねたのはもう15年ほども前になりますが、その時すでにかなりのご高齢だったミスターサイミンが店頭に立っておられ、人々を明るくもてなしておられたのを思い出します。ミスターサイミンはとても小柄な方でしたが、カリスマ性がすごく、光り輝くかのようでした。そのときに食べたサイミンはとても美味しく、ミスターサイミンの魅力とあいまって、あっという間に大のシローズ・サイミン・ファンになってしまったのですね。

シローズ・サイミン

 

ミスターサイミンは、1919年ホノルル生まれ。日系2世です。1937年にマッキンリー高校を卒業、1942年に陸軍に入隊しますが、小柄だったためコンバットチームには入れず、トイレ掃除や料理人のアシスタントをしていました。その後大佐のための料理人となり、軍で料理の基礎を学んだそうです。除隊後は本格的にレストランビジネスに参画し、ロイヤル・ハワイアン・ホテルで働いたり、日本で寿司職人の修行を積んだり、ロサンゼルスでシェフとして活躍したことも。1963年からは旧友である当時の州知事、ジョン・バーンズ氏の専属シェフも務めました。その後、バーンズ知事に推薦され、アラン・ウォンやロイ・ヤマグチなど数々の名シェフを輩出した、カピオラニ短大KCC調理科の最初の講師の1人にも名を連ねています。

1967年、ついにアイエア・ボウル内に自分の店をオープン! その後前述のワイマルに店舗を移し、93才で亡くなるまで、ミスターサイミンとしてたくさんの人々に愛されました。ミスターサイミンは、地域社会でのボランティア活動にも多数参加し、日本の早稲田大学でも講演を行っています。また、2007年には、当時の知事、リンダ・リングル氏より「Statesman of Goodwill(善行の指導者、親善大使)」として表彰されています。ちなみに、シローズ・サイミンのメニューには、「リンダ・リングル・サイミン」というものがあり、その内容はサイミンにビーフスティック1本、ワンタン、野菜とトッピング付きとなっています。リングルさんのお好みなのでしょうか…?

すみません、ミスターサイミンについてついつい熱く語りすぎてしまいましたね。ここのメニューについても語らなくては。先ほどのリンダ・リングル・サイミンはもちろん、シローズ・サイミンには驚くほど様々な種類(なんと64種類!)のサイミンがあります。ネーミングセンスも秀逸! 豪華版の「ドドンパ・サイミン(10種類のトッピング載せ)」なども。私は「鍋焼きサイミン(海老、チキン、ビーフ、落とし卵、ワンタン、野菜&トッピング」が大のお気に入り。「モチコチキン・サイミン」もなかなかいけます! ここのブロス(スープ)は本当にやさしい味で奥深く、癒されるんですよね。麺もモチモチで美味しい~っ! また、お店の人々が、一見ぶっきらぼうそうに見えつつもフレンドリーで面白いのもポイント高し。鉄火な感じのお姉さん方が元気にオーダーを取ってくれますよ。サイミンのメニュー一覧はこちらのページで確認できます。

シローズ・サイミン

 

ここには、サイミン以外にもたくさんのメニューがあります。特にサンドイッチが美味しいんですよ。以前夫が間違えて、メニューにないサンドイッチを注文してしまったんですけど、ウェイトレスさんが夫好みのサンドイッチをシェフに頼んで作ってくれたことがあります。しかもとても安くて、お礼を言ったら、片目をつぶって「いいのよ、いいのよ!」と。ハワイのローカル社会ではこのような「持ちつ持たれつ」的な、当意即妙なやり取りをよく垣間見ることができます。たまには前例を覆し、でもその親切がより良い集客に繋がっているような。もちろんできないことは丁寧に伝えてくれるし、そのへんの思いやりと誠実さが何とも言えずうれしいんですよね。

ふー、もっともっと語りたいことはあるけれど、ここらで辞めないと「大菩薩峠」や「ガラスの仮面」並みの長編になりそう。とりあえず、シローズ・サイミンが大好きという気持ちをお伝えすることが出来たかな、とは思います。ワイマルはパールリッジのもう少し西寄りにあります。レンタカーをお使いの方は、ぜひお出かけしてみてくださいね。ローカル色にあふれた、そして心豊かなハワイを味わっていただけることと思います。

 

シローズ・サイミン
Shiro’s Saimin Haven

場所:98-020 Kamehameha Hwy Aiea, HI 96701
電話:(808) 488-4834
ウェブサイト(英語):shiros-saimin.com

(2015年12月更新)

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