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第18回 ワイメア・ヴァレー

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2007年12月18日

第18回 ワイメア・ヴァレー

●カフナの渓谷、ワイメア


滝の上から飛び込んだ多くのダイバーが命を落としています

ワイメア湾と言えば、冬のノースショアでも、ずば抜けて大波の訪れるビーチとして世界的に有名ですね。「サーフィンのメッカ」としての印象が強いこのエリアですが、実はその背後の山々や渓谷は、宗教的な遺跡や伝説に彩られたスピリチュアルな場所として、広く知られています。そこで、今回は「ワイメア・ヴァレー」をテーマに、様々な不思議な話をご紹介しましょう。

緑濃い渓谷の間をワイメア川が貫き、海に注いでいるこのエリア。清らかな水、海の幸、山の幸に恵まれ、古来ハワイアンの集落が広がっていました。しかも、11世紀の昔から、渓谷を統治してきたのはカフナ(古代ハワイの神官)。オアフ島の酋長オロパナがカフナにワイメアの土地を授与したのに始まり、そのカフナの子孫が代々、この地を支配してきたとのことです。

引き続き1783年、マウイ島の酋長カへキリがオアフ島を征服した際にも、ワイメアはカへキリのカフナに贈与されました。その10数年後、今度はハワイ島の酋長カメハメハ大王がオアフ島を制圧すると、ワイメアはまたしてもカメハメハの神官へヴァへヴァの所有地となり、1837年にヘヴァへヴァが死去するまで、実に8世紀以上にわたってカフナにより支配されてきたのでした。

そんな理由もあり、別名「カフナの渓谷」とも呼ばれているのが、このワイメア・ヴァレーなのです。もう一つ、あたり一帯の山々は、古代の埋葬地が多数隠されていることでも知られています。これまでに切り立った山の中腹の洞窟から、タパ布で包まれた白骨やティキ像、カヌーの一部などが、たくさん発掘されています。


平和の神ロノを祀るヘイアウを復興した遺跡。発掘時、人骨も見つかりました

●駐車場から発見された聖地
これら山中の遺跡に足を伸ばすことはできませんが、自然・歴史公園「ワイメア・ヴァレー・オーダボン・センター」の敷地内にも古代遺跡は点在し、こちらは間近に眺めることが可能です。同センターは以前、「ワイメア・フォールズ・パーク」の名で親しまれていましたが、昨夏、自然保護団体のオーダボン協会が経営を肩代わり。フラショーや滝壷でのダイビングショーなど、派手なアトラクションこそなくなりましたが、ワイメアの雄大な自然をそのまま利用し、熱帯植物や鳥類を楽しめる公園として人気を集めています。

パーク周辺でまずチェックしたいのが、駐車場脇にあるヘイアウ(古代神殿)、「ハレ・オ・ロノ」跡。1978年、ワイメア・フォールズ・パーク(当時)所属の歴史家により発見されたもので、建設に使われた珊瑚の古さから、1470年~1850年にかけて建てられたものと判明しています。今では当時の姿が再現され、供え物、生贄(いけにえ)を捧げるための塔やカフナが神と交信するための塔、太鼓を保存するための小屋などが、石垣の上に設けられています。


アフ・ポハクの上には、誰が置いたか、ティーリーフに包んだお供えが

この神殿は平和や五穀豊穣、雨の神であり、ハワイ神話の四大神の一人でもある「ロノ」に捧げられたものですが、やはりここでも人間の生贄が捧げられた跡が… 生贄の塔の跡からは、男性の骨盤などの白骨が発見されているのです。ちなみに、このヘイアウは駐車場のすぐ横にあるのですが、石垣部分への入場はできません。古くから信仰の対象だった厳かな聖地ですから、石を動かしたりという無礼を働くことなく、どうぞ敬意を払いながら見学してくださいね。

●渓谷の聖霊に捧げられた祭壇?
パーク内にも見所がいくつかあります。一つは「アフ・ポハク」。これもまたパークの歴史家により1981年に発見されました。一見、岩の上に苔むした石が並んでいるだけのように見えるのですが、これは「路傍の地蔵」ならぬ、「路傍の祭壇」だそうです。この道の奥には、酋長一族の居住地があったことが知られているので、「酋長への献上物を供えたり、酋長への敬意を示すためお参りをするための場だった」と推測されています。また、「ワイメア・ヴァレーの聖霊を祀る祭壇だった」との説もあるようです。目印となる説明書きがなければ、見落とされてしまうような岩なのですが、誰が供えたのでしょうか? 撮影で訪れた時にも、古代ハワイ式にティーリーフで包んだ供え物が、一つだけポツンと置かれているのが印象的でした。

この他にも、このパーク内には、古代の草葺の住居を再現したものや、サツマイモ畑跡など、古(いにしえ)のハワイの生活が偲べる、様々な遺跡が残されています。一度、ゆっくり、見学していただきたいと思います。


池は遊泳地として人気。周囲にはライフガードも常駐

●遺体が浮かんでこない! 滝壷の謎
最後になりましたが、もう一つ、パーク内の滝にまつわる恐い話もご紹介しましょう。この滝は、スピリチュアルなワイメアの象徴とも言える存在なので、あえて最後にもってきたのですが…

パーク入口から30分ほど歩いたところにあるこの滝は、高さ約12メートル。ワイメア・フォールズ・パークとして運営されていた時代は滝上の岩場からダイバーが滝壷に飛び込むダイブ・ショーが、人気アトラクションとなっていました。流れ落ちる滝の下には大小の岩があり、それを避けながら滝壷にダイブするのは、プロであっても至難の業。1980年、この滝で女性のクリフ(絶壁)・ダイビング世界選手権も開かれました。

そして… 実際、この滝では、犠牲者も多数出ています。記録が取られ始めた1952年以降だけでも、8人がここで亡くなっています。最後の犠牲者が出たのは、1997年10月。ダイブ・ショーのオーディション中、なんとプロのダイバーが滝の下の岩に頭をぶつけ、即死しているんですね。


パーク内にも清流が流れ、太古のハワイの面影があちこちに

何より不思議なのは、この滝で事故があった際、死体がなかなか発見されないということ。死体が浮かび上がってくるのに、丸1日かかるという話は、確かに過去、ハワイで出版された怪談本で読んだことがありました。伝説では、この滝壷にハワイ神話上の大トカゲ、モオが住んでおり、生贄を求めているので、遺体が上がってこないのだとか。または、この滝壷には古代の酋長の霊が住んでいて、池の中には平らな岩の祭壇があり、遺体が十分賞味(?)された後にやっと浮かんでくる、という説もありました。

過去、そんな説を読んで、「大トカゲとか、古代酋長の霊だとか、まさか」と思っていたのですが… プロ・ダイバーの死亡事故の直後に書かれた、地元の英字紙「ホノルル・スターブリテン」の同年10月13日付けの記事を見てビックリ。その事故の際も、ダイバーの遺体が1時間以上も発見されなかった、とあったからです。しかも、同記事に記載された過去の事故の記録を見ても、たとえば1952年の事故では遺体は翌朝まで発見されず、54年、60年の事故では2時間、64年の事故では3時間以上見つからなかった、と記載されていました。

その理由について、記事の中では、「滝の水量が多くて、遺体が沈み込んでしまう」「水が不透明なため」と推測されていましたが… ナイアガラの滝ほどの大滝でもあるまいし、この小さな滝壷で、そんなことがありえるのでしょうか?


路傍の祭壇と信じられている岩。奥に酋長の住居がありました

と言うのも、この池は遊泳地として人気が高く、撮影に訪れた日にも、多くの人が水浴びを楽しんでいました。さっそく、私の家族も、水着に着替え、池で泳いだのですが… (山中の清流なので冷たく、主人は「こんなに冷たい水の中で泳いだのは、生まれて初めてだ」と言っていました)。それなのに、「遺体だけが浮かんでこないなんて、あまりにも変だ」と思ったのです。

池に常駐するライフガードにそんな話をすると、「確かに遺体が仲々浮かんでこない、という話は聞いたことがある」とのこと。ただし、理由については、「小さい池だけれど、案外深いからでは?」と言うのみでした。

また、同じ質問を、パーク内の他のスタッフにもぶつけてみました。けれど、そもそも「ワイメア・ヴァレーの恐い話を聞きたい」という私の言葉自体が気に入らなかったのでしょう。女性スタッフは、「そんな、滝壷に霊が住みついているとか何とか、大嘘 そういうのは全て作り話」と、マジメな顔で否定するばかり。


滝まで歩く途中、何ヵ所かに遺跡の説明書きが立っています

そうは言いつつも、次のような興味深い話を語ってくれました。「この谷は神聖な場所で、恐いことなど何もない。確かにこの谷に、何かが存在しているのは感じるけれど。たとえば、パーク内に誰もいないはずの深夜、斧で木を切り倒しているような大きな音や、大勢でガヤガヤ家か何か建てているような音や声、マロ(古代ハワイで男性が身につけたフンドシのようなもの)姿のハワイアンの霊が目の前を横切ったり、ということは、よくあるのよ」。でも、「それらは決して悪さをしない、フレンドリーな霊なのだから」と、そのスタッフは最後に強調していました。

結局、滝の謎についての真相は藪の中だったのですが、今もこのワイメア・ヴァレーには、様々な古代の神秘が秘められているのは事実のようですね。皆さんもノースショアへお出かけの際は、この滝を眺めに出かけてみてはいかがでしょうか? もし、池で泳ぐ際はライフガードの言葉に従い、特に滝の上からの飛込みなど絶対になさらないよう どうぞ、ご注意ください。

Waimea Valley Audubon Center
ワイメア・ヴァレー・オーダボンセンター

住所:59‐864 Kamehameha Highway, Haleiwa, HI 96712
電話:(808)638-9199
料金:大人$8、子供(4歳?12歳)&シニア(60歳以上)$5。3歳以下は無料。
営業時間:9:30-17:00(無休)
休日:クリスマス、元日(感謝祭と大晦日は午後3時まで)
アクセス:アラモアナ・センターから52番バスで約2時間
ホームページ(英語): www.audubon.org

(森出じゅん)

この記事が属するカテゴリー: カルチャー, モオレロ
関連キーワード: ノースショア, ワイメア,


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