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第11回 ハレアカラ・クレーター

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2007年12月11日

第11回 ハレアカラ・クレーター

●数々の遺跡が残るハワイアンの聖地


エネルギー・スポットと言われるクレーターがあるハレアカラ

世界最大の休火山ハレアカラと言えば、マウイ島観光の目玉。マウイを旅行したら必ず訪れる名所ですね。私自身も10年ほど前、ハレアカラに登ったことがあります。いえ、正確には「下ったことがある」と言った方がいいかもしれません。車で山頂まで行き、そこからクレーター内に下り、山小屋で3日間を過ごした経験があるからです。後から知ったことですが、実はハレアカラ・クレーターは先史時代からのハワイアンの聖地。過去様々な発掘調査も行われています。そこで今回は、このミステリアスなハレアカラ・クレーターをテーマにお話しましょう。

ハレアカラは、標高約3000メートル。山頂から標高にして900メートルほど窪んだクレーターの直径は、約11キロと広大です。山頂から見下ろすと、見渡す限りのクレーター内に噴火時代の名残りの11もの火口丘が盛り上がり、噴煙こそ上がっていないものの、さながら太古の火山地帯を見下ろすかのよう。最後に噴火したのは1790年ですが、ハレアカラは死火山ではなく休火山。つまり今だ噴火の可能性があるわけですが、クレーター内にはトレイルもあり、ハイキングコースとして人気を集めています。その他、連邦政府の山小屋(利用には予約が必要)やキャンプ場(登録制)、またハワイ州やアメリカ空軍など、各研究施設の天文観測所も設けられています。
山頂はもとよりクレーター内も、夜は雪が降ったり霜も下りたりするほどの寒さですが、過去ビショップ博物館などの調査により、ここには古代ハワイアン遺跡が多数あることが判明しています。1920年に行われた初の発掘調査では、クレーター内に48か所もの石の建造物が発見され、考古学者はそれらがヘイアウ(寺院)や祭壇だったと推定。このクレーターはハワイアンにとって特別な聖地であり、カフナ(祈祷師)は古来ここで、様々な儀式を行ったのだそうです。

●ヘソの緒や死者を投げ入れた穴も


神秘を感じさせるハレアカラ山頂からの眺め

その他、人々が新生児のヘソの緒を隠した穴や、埋葬所の遺跡も確認されています。うち「ナ・ピコ・ハウア」と呼ばれる穴は、直径4.5メートル、深さ3メートルほどの地中の穴。ハワイアンは子供の健康を祈って、新生児のヘソの緒を地中などに埋める習慣がありますが、昔からハレアカラ周辺のハワイアンはクレーターまで数十キロの道を歩いて、ヘソの緒をここまで運んだそうです。その時ヘソの緒はタパ布や母親の髪に丁寧に包まれ、この穴に投げ入れられたとか。

またあちこちの崖中腹や火口丘内部などには首長一族の墓もあり、「ルア・オ・カアヴァ」と呼ばれる底なしの穴は、庶民の埋葬所として使われていた様子。穴の深さは数キロとも言われ、火山の底の海底部分にまで通じているという説もあるほどです。人々は遺体をここまで運び、まずは死人の先祖の名を呼んだそう。「○○さ?ん、あなたの子供(子孫)を連れてきましたよ」と穴の底に呼びかけ、遺体を投げ入れたのだそうです。もしその遺体が途中の岩に引っかかれば、穴の中に先祖の霊がいる証し。もし底の海水部分まで落ちていけば、先祖の霊はそこにはいない、と解釈されたのだとか。数百年もの間、その底なし穴には、いったいどれだけの数の遺体が投げ込まれたのでしょうか? 考えるだけでも背筋が寒くなるような気がします。

●クレーターは宇宙のエネルギーの伝導体?
冒頭で述べたようにハレアカラ山頂には、今でこそ車で登ることができますが、車などなかった大昔、ハワイアンはなぜわざわざ険しい山道を登って、遺体やヘソの緒をクレーターに運んだのでしょうか? 山頂からクレーターに下るのだって、簡単だったはずはありません。そもそも、古代のカフナがこんな辺鄙な場所を聖地とみなし、祭壇を建てた理由は? ハワイアンにとって全く未知の世界である冬の気候、時には氷点下にもなるほどの寒さにチャレンジしてまでこの地を選んだのは、なぜだったのでしょうか。
これについては諸説ありますが、うち一つは、「ハレアカラは宇宙のエネルギー・スポットである」という説。一部の人々は、そのクレーターは、宇宙のエネルギーを集める自然の伝導体だと信じているそうです。そのためハワイアンもまたこのクレーターを聖地として崇めた、というのが説明の一つ。こんなことを言うと、恐らく皆さんの耳には、荒唐無稽に響くことでしょうね! ところが。この説は私にとり、大変衝撃的なものでした。というのは、クレーター内の山小屋で過ごしたバケーションで、私もまた不思議な感覚を抱いたのを思い出したからです。


下山後なぜか気力の充実を感じた不思議な体験

●銀色の夜空に感じた畏怖
ふだんはハイキングなど苦手ですが、夫に誘われ、10年前、ハレアカラに出かけた私。まずは山頂までドライブし、寝袋などの大荷物を背負って、クレーター縁の山小屋まで5時間、ハイキングしました。都会の喧騒から離れ、クレーターの底で聞こえるのは小鳥の囀りだけ。夜は凍えるほどの寒さでしたが、昼間は心地よい暖かさで、思いがけず楽しい3日間を過ごすことができました。
しかもクレーター内で見る夜空の美しさと言ったら! 星がいっぱいで空がよく見えないほど… と言ったら大袈裟に聞こえるかもしれません。けれど本当に空一面、星がギッシリとまたたいて、空が黒というより白、せめては銀色と形容した方がいいほどでした。周辺に街の光はなく、その澄んだ空気。近くに天体観測所もあるほどですから、当然といえば当然ですが、私は呆然としてしまいました。日本でも八ヶ岳や蔵王で星空に感動したことはありますが、ハレアカラで見た星空は、もう桁違い。星を見上げていると「宇宙の神秘」というものを全身でゾクゾク感じてしまって、怖くなるほどでした。私は考えました。「この宇宙で、地球にしか生物がいないなんていう人がいたら、その人は愚か者だ」。以前から宇宙人の存在を信じていた私ですが、その夜それは、絶対的な確信に変わったのでした。

●ハイキング後の不思議なエネルギー
そうして楽しかった3日間が終わり、再び山頂に向かってハイキング。今度も5時間ほどのハイキングを経て、車に到着。空路、ホノルルに帰ってきました。3日間の山の生活、それも長時間のハイキングを経て、疲れ果ててベッドに倒れこんだかと言えばそうではなく、なぜか私は高揚していました。気分がウキウキし、HIGHになっていたのです。どれほど高揚していたかというと、家に帰り着くなり机の前に座り、翻訳の仕事をしてしまったほど。翻訳を頼まれていたある書類がそのままになっているのを見て、1時間ほどでさっさと仕上げてしまったのでした。
それを、ハイキング後のアドレナリンの分泌状態、つまり「ランナーズ・ハイ」だったと思う方もいるかもしれませんね。しかし。以前2回ほどホノルルマラソンで走ったこともありますが、ハレアカラ帰りのあの能動的な高揚感は、マラソンの後の平和な幸福感とは、全く異質なものでした。それはそうです。肉体的に疲れきっている時、いったい誰が翻訳の仕事などしたいでしょうか? けれどハレアカラ帰りのあの時、私はそれこそ力に満ち、なんでも楽々できるような高揚感に溢れていました。


いにしえの人々もここでエネルギーを補充したのでしょうか

私はそれを永年、「自然の中で過ごしたので、リフレッシュされたのだろう」と思っていました。ところがある日、ハワイで出版された本を読んでいて、例の「ハレアカラはエネルギー・スポット」説を発見。自分が異様に高揚していたことを思い出し、妙に納得してしまった私です。きっとあのクレーターには、宇宙のエネルギーが集まっていたに違いない。私はそこでエネルギー補充を受け、力に満ちてホノルルに帰ってきたのだ… そう考えたのでした。
そういえば、昔カフナは星空の下で仁王立ちになり、星のパワーを身体に取り入れた、とも言います。それら諸々の説を考え合わせると、なぜあんな人里離れたクレーターに、ハワイアンが様々な宗教遺跡を築いたのか、心から納得できるような気がするのです。

ちなみに、ハレアカラという名は、ハワイ語で「太陽の家」を意味します。その由来となったのは、半神半人マウイにまつわる神話。太陽がいつも空をさっさと駆け抜けていくため、日照時間が短すぎて人々が困っているのを見、憤慨したマウイ。この山の麓で太陽を待ち伏せしてつかまえ、もっとゆっくり空を渡ることを約束させた、という話です。けれど、今でも私はフと考えることがあります。もしかしたら… いにしえのハワイアンは、その山が宇宙エネルギーの伝導体であることを知っていて、「太陽の家」という名をつけたのではないか、と。半神半人マウイと太陽が戦うファンタスティックな神話より、もっと奥深い由来が、ハレアカラという山の名に隠れている… と考えるのは、深読みというものでしょうか?

(森出じゅん)

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