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ハワイ歩き方事務局
人気連載「ハワイ出産物語」

第19回 注射三昧 新生児ケア

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2002年10月24日

第19回 注射三昧! 新生児ケア

日米で異なる予防接種のシステム
これまで、もっぱら「母」の側の体験をレポートしてきた「ハワイ出産物語」。ここらでちょっと趣向を変えて、「赤ちゃん」の側のレポートをお届けしてみようと思います。第12回の「小児科医選び」で赤ちゃん誕生までに必要なプロセスについては触れているので、今回は誕生後の定期検診の模様についてのレポートです。

日本では、あくまで行政が主体になっている新生児検診。ハワイでは、主治医に選んだ小児科医に個人的にアポを取って受診するようになっています。検診のスケジュールはどのドクターもほぼ同じで、生後6ヶ月までは毎月、6ヶ月〜1歳は隔月、1歳時は3ヶ月ごと、2歳は半年ごと、3歳以降は1年に1回となっています。この定期検診で行われるのは日本とほぼ同じ内容で、身長・体重・胸囲・頭囲の測定と全身状態のチェック、発達速度や異常の確認といったところですが、大きく違うのが予防接種のシステム。ハワイ州衛生局から、出生届(これは入院中に名前が決まっていれば、病院が一括して提出してくれます)が出ている赤ちゃんに対して発送される予防接種の案内には、「麻疹(はしか)やおたふく風邪などの伝染病は小さな子供にとっては重病であると同時に、それが社会に充満した場合の被害は大変大きい」と書かれてあり、「予防接種は必ず受けなければならない」と勧告されています。日本人は予防接種の副作用に対してかなり敏感で、そのため任意で受けるようになっている予防接種も多いと聞いています。育児書にも、リスクの比較的大きい三種混合ワクチンなどには賛否両論書かれていたりするのに、「ハワイでは何らかの重大な副作用が出ることは極めて稀なので心配に及ばない」と言われ、問題にもされていません。小善より大善を取るというか、合理的で楽観的というか、この辺にもなんだか国民性が反映されているような気がしませんか?!

注射三昧の「必殺スケジュール」
さて、その気になる予防接種のスケジュールはというと、次女クリスの予防接種カードを見ると次のとおりです。

B型肝炎:生後すぐ、2ヶ月、6ヶ月(計3回)
三種混合:3ヶ月、5ヶ月、8ヶ月、2歳、5歳(計5回)
ポリオ:3ヶ月、5ヶ月、1歳、5歳(計4回)
MMR:1歳、4歳(計2回)
水痘:1歳、6歳以降(計2回)
インフルエンザB型 (Hib):2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、2歳(計4回)
肺炎球菌性複合ワクチン:2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、1歳(計4回)

ねっ、すごいと思いません? まさに注射三昧の「必殺スケジュール」でしょ?! でもこれがハワイ州衛生局の規定に沿った予防接種スケジュールなんですよ! そういえば、クリスの6ヶ月目なんか3つもの注射を両足に代わる代わる打ちこまれ、「ギャー! ウギャー! ビャー!」と3度も断末魔の叫び声を上げていたっけ… ナースと私達夫婦の3人がかりで押さえつけ、なんとか無事終了にこぎつけた覚えがあります。幸い、どの予防接種も微熱すら出ることもなく、無事に切り抜けられたので、今のところホッとしています。いくら大丈夫と言われても、生後間もない小さな身体にワクチンが入ると思うと、やっぱり多少は心配するのが親心ですよね…

ちなみに、上記の予防接種の日時を記録するカードの正式名称は「Hawaii Immunization Record」といい、日本の母子手帳に匹敵するかと思われる唯一の公式書類です。Official Lifetimeという形容詞が頭にくっついて印刷されている通り、プリスクールや小学校に上がる時には必ずこのカードの提出が求められるので、無くさないよう大事に保管しています。

あと、検診にかかる費用について触れておくと、乳幼児の定期検診は健康保険で大きくカバーされているので、我が家の場合、1回の定期検診(予防接種も含む)で支払っているのは個人負担分の7ドルのみ。日本で任意の予防接種を受けるとなると高額になってしまうので、この点はハワイの方が恵まれているかなー?

アメリカでは打たないBCG
次にもう一つ、日本と大きく違うのが、定期検診に組み込まれている「ツベルクリン反応」。日本では陰性ならBCGを打ちますが、アメリカではBCGは打ちません。その代わり、毎年の定期検診時に繰り返し「ツ反」をし、結核の早期発見に努めています。そして、子供のプリスクールや小学校の入学に限らず、大人であっても学校に入学や就職する際には「ツ反」をして、結核にかかっていないことを証明する「TBクリアランス」という書類を病院で作成してもらわなくてはなりません。実は数年前こんな知識が皆無だった頃、TBクリアランスを入手する必要が急に生じて、な〜んにも考えず「ツ反」をしたことがあります。当然、針のささった周辺には赤くはれる陽性反応が出て、病院でいきなり「あなたは結核です。今すぐハワイ結核センターに直行してください」と言われ、無茶苦茶ビックリしてしまいました。ナースも陽性の患者になんかめったに当たらないものだから、ビックリしてたけど、いきなり結核患者にされてしまった本人はもっとビックリ。仕方なくハワイ結核センターまで行ってレントゲンを撮り、ようやく結核でないことが証明されて胸をなでおろしました。その時、「今後TBクリアランスが必要な時は、日本人はBCGを打っていることを伝えて、レントゲン写真を撮るようにしなさい。ツ反はむやみに繰り返さないこと」と教えられ、その後はそのアドバイスに従っています。日本からハワイの学校へ入る人は、大人も子供も「ツ反」にはくれぐれも要注意です!

さて、これを書きながら自分の子供時代を思い起こしてみると、おたふく風邪や水疱瘡、麻疹(麻疹(はしか)なんかには「罹って免疫をつける」のが当然だったあの頃。隣近所の子供み〜んなが、おたふく風邪でほっぺたを赤〜く腫らしている情景なんて、予防接種の徹底したハワイのお子チャマ・長女ステフには想像もつかないものらしい… 「ウ〜ッソ〜! 何それ?」と言われてしまいました。これも予防接種の功徳とはいえ、なんだか隔世の感が…(ドッと年を感じて母は疲れたよ…)

さて、次回はいよいよ最終回。これまで書

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