• ハワイ出産物語

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    第5回 アメリカ式つわり対処法


    食べ物のオススメとタブー
    「所変われば品変わる...」とはよく言ったもので、「面白いな〜」と思ったのが妊娠中の食べ物についてのお薦めとタブーのあれこれ。もちろん基本的には「栄養のバランスがとれた健康的な食生活」であれば何を食べても構わないし、母体や胎児になにか決定的な影響を与えるような食べ物が存在する訳でもありません。でも、こんな些細な事にも意外と「ハワイ」という土地柄が表れており、感心させられたので、今回はそのいくつかをお伝えしましょう。

    ●ソーダクラッカー&7UP?
    つわりの時に多くのアメリカ人から薦められた「すっきりする食べ物」のダントツが「ソーダクラッカー」と「ジンジャエールまたは7UP」の組み合わせ。粗塩がうっすらかかっているソーダクラッカーはシンプルすぎて、普段はそれこそスープの付け合わせでしかお目にかからないのですが、そのあっさりとした塩加減、サクサクとした食感が、船酔いにも似たつわりの時に「なぜか異常〜においしく感じられた」から不思議です。

    わたしの場合、大抵夕方から夜10時くらいまでがつわりのピークでした。それも、なぜか夕食の準備を始めようとするや否や、まるでサボリ病のように具合が悪くなったのです。(パパはちょっと疑ってたかも...?)。その間、ベッドで横になりながら、1枚また1枚... と子袋全部30枚くらい食べてしまったこともあったっけ... ソーダ類も普段は苦手で、滅多に飲まないのですが、この時の7UPはほ〜んとノド越しスッキリで、大活躍してくれました。現在、つわりに苦しんでいる方がいたら、まあ騙されたと思ってお試しあれ...! あとは食べれそうだと思いついたものを、すかさず口に入れる。そして、「つわりは赤ちゃんが元気に育っている証拠」と自分に言い聞かせながら、憂鬱なこの時期をやり過ごすしか手はないようです(ハイ、何の事はない万国共通の対策です...)。

    ●禁さしみ令
    功を奏した「ソーダクラッカー&7UP」とは反対に、いまだにわたしの中では疑問となって残っている「禁さしみ令」。独自に、ハワイ在住のママ友達ネットワークに聞きこみ調査をしたところ、ほぼ全員が、刺身・寿司・ポキなどの「生魚」を食べるのを産婦人科医から禁じられていました。ホノルル・アドバタイザー紙が妊娠の特集を組んだ時も「生魚」はダメと書いていたから、どうやらこれはハワイで主流を占めるタブーらしい... なんでも、生の魚についているバクテリアに良くない影響を与えるものがあるらしいのですが、未だにはっきりした説明は聞いたことがないのでよく分かりません(誰か教えて〜!)。

    コササ先生は「ディープ・シー・フィッシュ(深海魚)ならOK」とか言ってたけれど、「じゃあ、一体どれが深海魚で、どれが浅海魚か?」という変な疑問が湧いてきました。「日本の妊婦はどうなる? みんな刺身食べてるよ〜!」と思いつつも、結局は「生魚」からは遠ざかってしまいました。O-157とかに代表される食中毒も気になりましたしね... でも、耐えきれない時は、鮮度を信頼できるところのお寿司なんかをパクつきました。やっぱ日本人は「寿司食いねえ」です!!

    母乳に良いフィッシュ・スープ
    今度は、産後の食べ物の話になりますが、母乳に良く効くとローカルに薦められたのが「フィッシュ・スープ」。母乳をたくさん出すには水分が必要ですが、飲み物からだけだと限りがあるし、とにかくスープ類をよく取ることが秘訣だそうです。これはハワイに限らず日本でもよく言われますよね。中でも、とりわけ「フィッシュ・スープ」は抜群らしいのですが、ロコのおばあちゃんがいるわけでもない者には詳しいレシピがゲットできず、もっぱら「鰹(かつお)だし」の味噌汁とお吸い物で対抗することになりました(これもフィッシュ・スープの一種?!)。新生児の世話で明け暮れている時期にゆっくりスープを煮込む余裕はなく、かといってスープのテイクアウトのための外出もままならず、手軽においしいスープに巡り会うのは結構なチャレンジでした。

    ●ベビーにマンゴはタブー
    また、赤ちゃんにあげるフルーツにもハワイならではのタブーがあるんですよ。シーズンになると各家の庭先に鈴なりに実る「マンゴ」。ジューシーな完熟のおいしさは格別ですが、実の青いうちに採って漬け込むマンゴ・ピクルス、ツルンとした食感がたまらないマンゴ・プリン、日保ちのきくマンゴ・ブレッドなど、あらゆる形で食され、ローカルが愛してやまないマンゴは実は「うるし科」の果物。抵抗力のない赤ちゃんにはアレルギー反応がでる恐れのあるフルーツなのです。子連れでハワイ旅行を計画している方は、ちょっと覚えておくと役立つかもしれませんネ...

    こういった食べ物についての正確な情報がないかと、改めてアメリカの出産本を紐解いてみましたが、残念ながら「食べ物についての見解は国や民族によってまちまち。文化の成熟度が低いほど、摂取すべき、または避けるべき食べ物が特定されている傾向にある」(The Well Pregnancy Book、Simon & Schuster社刊より)との記述が見つかった程度です。昔はいろんな所でいろんな風習があって、その一部は今も実行されている、というのがどうやら実態のようです。

    余談になりますが、この本(The Well Pregnancy Book)は少し専門的な内容なので、硬くてとっつきにくい印象ですがお薦めの一書です。アメリカ人の先輩ママからのプレゼントでしたが、妊娠中困ったことがあった時、必ずその答えを見つけることができました。もう少し一般的なものとしては、「What to expect when you're expecting(Workman Publishing社刊)」という本が、アメリカでは「出産本のバイブル」として根強い人気のようです。かくいうわたしも、この本からアメリカでの妊娠・出産に関する一般的な知識をずいぶん得たような気がします。これには「What to expect the first year」という子育てのあれこれを綴った姉妹本もあり、こちらも参考になりました。ハワイ出産を予定している方、興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか(もちろん英語本ですが...)?

    プロフィール(わたしと家族の紹介)

    わたし:愛称「がっちゃん」こと前田和子。ハワイ在住14年目。オペレーション・スーパーバイザーとして大手旅行社に勤務後、長女出産。「ハワイの歩き方」のエディター(育児休職中)で、現在2人の女児(4歳、5ヶ月)の育児に奮闘中。只今の生き甲斐は、子供たちが寝た後にホッとしていただくコーヒーと速読(ヤレヤレ)。
    パパ:ぎりぎり49歳で2女の父になった超遅咲きパパ。ゴルフ三昧の定年人生は望むべくもなく、愛娘のために「死ぬまで働きつづける」のが今後の課題。職業はハワイ諸島の開発予定地の発掘調査を手がける考古学者。特技は子供を放りなげ続けるプール遊び。(当然ながら子供には超好かれます。ここまで体張って遊んでくれる大人はめったにいません)。
    ステフ:長女。現在4歳半。妹を「マイベイビー」と自慢のタネにするのが得意。将来の夢はバレリーナと公言しつつレッスンに通うが、いまだにスキップができない。起き抜けに1枚、食後に1枚、寝しなに1枚と、お絵かきがやめられない元気いっぱいのプリスクール児。園ではクイン君という熱狂的なファン約1名を従えている。
    クリス:次女。2001年9月11日に生まれた強運の持ち主。特技は、夜ひとりで勝手に眠れること。最近自分の足を発見したことがうれしくてたまらない5ヶ月児。腹ばいは苦手。愛称はちいちゃん(ミドルネームがちのちゃんです)だが、近頃はちーちー→ちーにまで簡略化されている。