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第09回 ナ・リマ・ミリ・フル・ノエアウのフェザーレイクラス

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2006年04月03日

第9回 ナ・リマ・ミリ・フル・ノエアウのフェザーレイクラス


伝統的な、ヴィリ・ポエポエ・スタイルのレイ

●ハワイ唯一のフェザーレイ専門店でレッスン
花のレイ、木の実のレイ、貝のレイなど、レイの素材にもいろいろありますが、先史時代のハワイで最も珍重されていたレイが「フェザーレイ(羽毛のレイ)」なのです。小鳥の羽毛で作られたマントやヘルメットは、首長一族の男性だけが身につけることができた地位の象徴であり、一方、高貴な女性達がつけたのが、羽毛のレイでした。捕獲した小鳥を殺さず、数本の色鮮やかな羽だけを抜き取り、さらに膨大な時間をかけて作ったこれらフェザー・アイテムは、当時からそれは価値の高い宝物だったと言えます。今でも、これらはビショップ博物館、イオラニ・パレスのギャラリーなど、あちこちの博物館に展示されています。

時が移り、今では誰もがフェザーレイを身につけることができますが、フェザーレイ1本を作るのに必要な所要時間は、なんと平均20時間から80時間。そのため、買えば最低でも$50、時には$600もする稀少なレイが、このフェザーレイなのです。今回は、ハワイ唯一のフェザーレイ専門店「ナ・リマ・ミリ・フル・ノエアウ」で実施している本格的な「フェザーレイ・メイキング・クラス」をご紹介しましょう。


フェザーワークの大御所で同店オーナーのアンティ・メリー・ルー(右)と娘のポーレットさん

●フェザーレイの第1人者、アンティ・メリー・ルー
クラスの講師を務めるのは、同店オーナーのメリー・ルー・ケクエヴァさんと、娘さんのポーレット・カハレプナさんの2人。メリー・ルーさんはアンティ・メリー・ルーの愛称で知られ、ハワイのフェザーレイ・メイキングの第1人者。1955年に、レイラニ・フェルナンデスさんに師事してフェザー・ワークを始め、ナントこの道50年 1970年からレイ・メイキングのクラスをスタートし、これまでにビショップ博物館やハワイ大学、コミュニティセンターなどで、その貴重なテクニックをシェアしてきました。1978年には全米芸術協会から表彰されたり、ホノルル市長から「フェザー・レディ」の称号も受けたという、押しも押されぬフェザー・ワークの大御所と言えるでしょう。過去には、チェコスロバキアのTV局まで取材に来たそうですから、その名声は世界的。なお、このショップは、1991年にオープンしました。

娘さんのポーレットさんも、アンティ・メリー・ルーと二人三脚で大活躍してきた女性です。日本や、オーストリアの博物館などでデモンストレーションを行ったこともあり、2人には「芸術としてのフェザーレイ」という立派な著書もあります。


この道50年のアンティ・メリー・ルーが丁寧に指導

●クラスの参加時間は自由
フェザー・ワークの重鎮から直接指導してもらえるこのクラスながら、参加費はわずか1回$10。事前の予約が必要ですが、クラスの長さは参加者次第。つまり、同ショップが営業している朝の9時から夜の9時までなら、何時間そこでレイ作りに励んでもOK。ポーレットさんによれば、ほとんど参加者が2、3回クラスに参加するそうです。クラスでレイを作り始め、家で作業を続けて、仕上げの時にまた戻ってくるというパターンが多いようです。忙しい観光客であっても、「最低2時間半から3時間半はクラスに参加してほしい」とポーレットさん。4週間から6週間ハワイに滞在する人の場合、週2回程度クラスに参加し、2、3本のレイを完成することもある、とのことでした。


染色したガチョウの羽は、一袋$15。好きな色を選べます

クラスでは、頭か首周りを飾る長めのレイを作成。まずは、各色に着色されたガチョウの羽毛の中から、好きな色を購入します(1袋$15程度)。2色使ってもいいのですが、初心者は1色のレイから作った方が無難。作るレイのタイプは、伝統的な「ヴィリ・ポエポエ」(毛糸を軸に、円形に羽を結んでいくレイ)か、現代的な「フムパパ」(フェルトの上に羽を縫いつけていく、フラットなレイ)のどちらか。ヴィリ・ポエポエの中には正統のヴィリ・ポエポエ手法とカモエ手法があるので、計3タイプの手法から好きな手法を選択できます。難易度は、どれも似たようなものだそうです。


染色したガチョウの羽の髪飾りなど、$10以下で買えるものも

次に、いよいよレイ作りに挑戦 と思いきや、まだまだ。レイ作りの前に、まずは羽根を1枚1枚、3つのパートにハサミで切っていかねばならず、この部分に結構時間がかかります(レイのタイプによって、3つに分けた羽のうちどのパートを使うのかが、異なってきます。つまり羽を1袋買うと、そこから2タイプのレイが作れるわけで、買うより作る方がグンと安上がりになります)。もちろん、クラスでは1時間程度、一定の量の羽を切り分けた後レイ作りに進むのですが、この時、羽の大きさを揃えながら切らないと、せっかくのレイの太さが不揃いになってしまうので、急ぐのは禁物。そんな理由から、クラスに1時間程度出席するのでは、「フェザーワークのABCも学べない」というわけ。是非、最低でも2、3時間を予定しておいてほしいものです。


小さな羽根を1枚ずつ、3パートに切り分けることからスタート

羽を切った後は、いよいよレイ作り。羽を毛糸に結びつけたり、フェルトに縫いつけていくという、それぞれのレイの基本テクニックを習い、(もちろん、その場では完成しないので)しばらくトライした後は家で継続。クラスに1回しか参加できない観光客でも、ハワイ在住者でも、この点は同じです。観光客の場合、次回のハワイでクラスに戻り、レイの仕上げ方を習うのがベストですが、希望すれば、初日にレイの仕上げ方まで教えてもらうことも可能。この時、メモをとりながらしっかり聞けば、日本でレイを完成することができます。念のため、同ショップで2人の書いた「芸術としてのフェザーレイ」を買って帰れば万全かもしれませんね。あとはコツコツ、根気よく作業を続けましょう。

以上のように、正直、大変な労力が必要なフェザーレイ・メイキングですが、できあがった時の喜びはひとしお。アンティ・メリー・ルーによれば、クラスに1日中参加するのも大歓迎とのこと。「ランチタイムには近所でランチをテイクアウトして、皆で食べるのも楽しいのよ。中にはオムスビ持参で来る日本人もいます」とのことだったので、この次のハワイでは、時間をたっぷりとって、クラスに参加してみてはいかがでしょうか?

参加者のコメント
ジョアンヌ・ロイボさん(オレゴン州在住)

昔「サンセット・マガジン」に載っていた店の記事をとっておき、いつかクラスに参加したいと思っていました。今回ハワイに長期滞在することになり、週2回クラスに通っています。オレゴンで、ヒョウタンに絵を描いたり彫刻したりするアートを手がけているので、それに役立つかもしれない、と思ったのがフェザーレイを習いたかった理由です。レイ作りはすごく大変だけど、フェザーレイの第1人者に教わることができ、とてもハッピー。店で皆とおしゃべりしながら作業するのも楽しいです。オレゴンに帰ったら、アーティスト仲間にもフェザーレイの作り方をシェアするつもり

美和子・モルダーさん(ハワイ在住)

4年前から毎週木曜、クラスに通っています。これまで仕上げたフェザーレイは100本以上かも? 色や素材の組み合わせをあれこれ考え、新しいレイにチャレンジするのが楽しみです。できあがったレイはプレゼントしたり、自分の手元にとっておいたり。この店に置かせてもらうこともあります。先生方はアロハの精神が旺盛で、人間的に温かく、ここで皆とオシャベリしながらいろいろな友人を作るのも、クラスの魅力ですね

Na Lima Mili Hulu No`eau
ナ・リマ・ミリ・フル・ノエアウ
住所:762 Kapahulu Ave., Honolulu, HI 96816
アクセス:クヒオ通りを山側にわたり、Ohua通りとPaokalani通り間のバス停から、ザ・バスの303番シャトルに乗車。カイムキ通りのケンタッキー・フライドチキン近くで下車。所要時間は約20分。303番シャトルは11時~19時まで、1時間に1本運行
電話:(808)732-0865
営業時間:9:00-21:00(土曜は?17:00)日曜休み。クラスの時間帯は自由。事前に予約を。
参加費:1日$10(材料費は別)

(森出じゅん)

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