第60回 ハワイアンキルトの原点
マウイ島ハナのカルチュラル・センターにあるハワイアンキルト |
●私がこの世に生きている使命
ハワイアンキルトも記念すべき60回を迎えました。今までハワイアンキルトについて、様々なイベントやキルター、お店などをご紹介し、数々のハワイアンキルト情報をお伝えしてきました。この連載をスタートした4年前に比べれば、ハワイアンキルト・グッズを売っているお店も増え、「どこでハワイアンキルトを購入したらいいのか」と、迷ってしまうほどになりました。また、ハワイアンキルト柄のアロハ生地もかなり増え、ハワイアンキルトが根強い人気を誇っているということも実感しています。
マウイ島ハナのカルチュラル・センター所蔵のアンティーク・キルト |
あまりに氾濫しているハワイアンキルトを、どうやって本物と整理するかってことになると… やはり、ハワイアンキルトの原点に戻ることが必要かと思います。私は最近、ミッションハウス博物館、ビショップ・ミュージアム、できたばかりのハワイ州立美術館、ホノルル美術館、エマのサマーパレス、フリヘエ宮殿(ハワイ島)、ハナ・カルチャラル・センター(マウイ島)などに展示してあるアンティーク・ハワイアンキルトに巡り会う機会が増えました。傷みの激しいキルトたちを見ますが、本当に昔の人たちの苦労の後が伺え、一針一針、大切に縫ってあることが分かります。こういう場所で、ハワイアンキルトの原点を見つめることも、とても大切なことだと思っています。
ハワイ州立美術館に展示してあるハワイアンキルト |
最近、ハワイアンキルトの本物に出会う機会が多いことに驚いています。先日、フラを踊っているお友達が、大切な作りかけキルトを先生からいただいたそうです。が、彼女はキルトの作り方を知らないので、私と「是非、一緒に作り上げたい」という提案でした。こういう、長い間完成されなかったキルト達を完成させてあげるのも今、私たちがこの世に生きている使命だと思ったりします。また、もう一人のお友達は、亡くなったおばあちゃまが作りかけだったハワイアンキルトを是非、仕上げたいということでした。でも、ノウハウを知らないので、「グループを作るから(教会での)、私と一緒に完成させたい」というリクエストでした。このように、今まで世の中には、生まれていたキルト達が完成を待っているのです。それもアンティークのキルト達。
私は「皆さんのお手伝いをして、是非、完成させたい」と思っているのですが。「そういう運命で、私はキルターになったのかなあ」と、最近つくづく考えてしまいます。
日本にいては、なかなか本物のアンティークキルトには巡り会えないと思いますが、ハワイに来られるときには、こういう場所を頭に入れて、訪問されるのも楽しいかと思います。キット、ハワイアンキルトの原点に近づけると思うのですが…
(by アン)
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