第1回 ハワイアンキルトの起源
昔々、ハワイには「布」というものは存在しませんでした。ハワイの人々はカパ、またはラオハラなどの木の皮を布代わりに使用していたのです。19世紀になってはじめて、西洋の宣教師の一行が「裁縫」「布」というものをハワイの文化に持ち込みました。西洋の文化ではパッチワークという端切れを縫い合わせて作る廃物利用的なキルトが主流でしたが、端切れ、というものがそもそもないハワイでは、西洋スタイルのパッチワークは作れなかったため、大きな1枚の布を使って作る独特なスタイルのキルトが作り出されました。やがてそれは1枚の大きな布を4枚または8枚に折り畳んだものを、ハワイ固有の花や、葉などのデザインに切り抜き、もう1枚の大きな布にアップリケするというハワイ独自のキルトになっていったのです。
デザインは、主に自然をテーマにした花や、植物ですが、ハワイ王朝に残されているキルトには、王のエンブレム、ハワイの旗などのデザインがあります。またもう一つの特徴とし、てたくさんの端切れを使うパッチワークとは違い、ほとんどが2色の無地の布により作られています。
現在ではキルト教室のほか、ホテルのロビー、ショッピング・センターなどで、日替わりでハワイアンキルトのデモンストレーションを見ることができます。まずは毎週金曜日、午前10時~午後2時まで、シェラトン・ワイキキ・ホテルのロビーでアンティー・レイに会いに行ってみましょう! 座っているだけで、ハワイが漂ってくるアンティーが、優しくハワイアンキルトを教えてくれます。
私とハワイアンキルトとの出会い…。 それはここ4年ほど前にさかのぼります。それまではアメリカン・パッチワークとキルトが好きで、小物を作ったりしてました。当時ハワイ在住6年、別に何の興味も無かった私がマウイ島のハナマウイに旅行したときのことです。ハナとは天国に一番近い所というハワイ語です。その名の通り、とにかく素晴らしいところなのです。ハナまでの交通は非常に不便。レンタカーでは約4時間はかかります。ホノルル空港からはアロハアイランドエアーが飛んでいますが便数はほんの少し。それでもハナマウイホテルは、苦労していっただけの価値ある場所。
全体はコッテージ風になっており、豊かな自然に囲まれた素晴らしいホテルです。その代わり、お部屋の中にはテレビはなく(ご安心を。バスもトイレも電気もありますから)とにかく時間に身を任せてゆっくりくつろぐ所です。都会の喧噪から離れ、体をゆっくりさせるには格別の場所なのですぞ!!
で、前置きが長くなりましたが、そのお部屋のベッドカバーがなんとハワイアンキルトだったのです。それはそれは素晴らしいオフホワイトの布に、確かベビーグリーンの葉のようなパターンのデザインでした。私は生まれて初めてハワイアンキルトに見とれ、しばし、そのキルトの上に寝ころんでじっくりとそのキルトを見ていたのでした。まさに、感動です!! その旅からホノルルに帰り、私はその足でハワイアンキルトのキットを探してまわりました。が、そのキットはかなり説明不足。全くやり方がわからず、途方にくれていました。しかし、友達の紹介で運命のKathyとの出会いが待っていたのです。私の師です。その次の日にはもうクラスにサインアップし、すぐにキルトを習いだしたのです!! それからこの4年間に作った作品が、う?ん、ホントにたくさんあります。
ハワイアンキルトは文化、芸術だけではなく、私にとって「癒しの道具」なのです。キルトをしていると心が和み、優しい気持ちになってきます。これはホントに不思議な力ですが、皆さんもぜひ試してください。ホントなんですよ!!
これからは私が癒しのハワイアンキルトの世界へご案内しましょう!!!
(写真は、私の作品とキットの一部です。)
(by アン)
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