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ハワイ歩き方事務局
人気連載「フラ講義」

第31回 普段のクラス風景

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2001年10月08日

普段のクラス風景


日本でフラを習っている方とお会いして、日本のフラ事情などを聞く機会がありました。私は日本ではもちろんのこと、ハワイでも別のハラウでフラを習ったことはありませんので大変興味深く拝聴しました。文化は伝達方法や場所により様相が変わることもあるようです。というわけで、今までイベントを中心にお伝えしていましたが今回は普段のクラスの風景をご紹介します。

私の所属するハラウには現在クプナ2クラス、カネ1クラス、ワヒネ6クラス、ケイキ4クラスがあり、各々のクラスには生徒が30人から40人程度登録しています。ワヒネの中にはグレーシャスレディースというクラスがあります。彼女達は年齢も内容もワヒネとクプナの間に位置し、カヒコではなく主にアウアナを習います。クプナとケイキのクラスは土曜日にありますが、カネとワヒネは平日の夜に練習します。この時間帯はあくまで通常のクラスですので、大会やショーの前はクプナやケイキ達も夜の練習に参加しますし、週末の午後も重要な合同練習時間になります。

各クラスにはそれぞれ名前がついています。私の所属するクラスはマイレラウリイです。女性アラカイ達も所属するマイレラウリイクラスは「大会およびショー(上級)クラス」という名目なので、8月に行われたラオハナ(2年前のホイケの詳細は第13回14回で紹介しています。)のようなハラウの全体行事の時は、ハラウの模範となり落ち着いて他のクラスの面倒をみるようにクムから念を押されます。普段は他のクラスのフラシスター達と会う機会がないので、日本人フラシスター達がもっといることがわかって嬉しくなりました。

クラスの平均的な進み方は以下のとおりです。

<入場>
まず、稽古場の外に生徒が3列に並んで入所を請うメレカヘアを捧げ、中からクムやアラカイから入所を許すメレコモが返されたら稽古場に入ります。メレカヘアが期待通りにできないときは何度でも繰り返すのでいつまでもクラスが始まらないときがあります。

<位置>
荷物を片付け、1列に並んでクムやアラカイに挨拶をしてから位置につきます。誰がどこの位置についてもよいのですが列は前から交互に座ります。すなわち横1列目と3列目が同じ、横2列目と4列目の人たちが同じ縦の線でつながるように位置します。位置はフラを踊る上でとても重要です。横から見ても前から見ても斜めから見ても同じ列に1人が踊っているかのように揃っていないといけません。

<プレ>
位置に着いたらクムを始め全員でプレを捧げます。

<オリ>
両足の間に腰を落として座り直し(俗にいう、赤ちゃん座り)、エホオマイとナアウマクアというオリをハワイ語で捧げて、「フラクリード」(クムが作ったハラウの教義)を英語で唱えます。

<準備体操>
続いてイプに合わせて両足のストレッチをした後、ハワイ語で数を合唱しながら両手のストレッチをします。

<発声練習>
最後にヴォイストレーニングに入ります。母音を正しく発音するためとチャントを上達するための技(イイといってのどを震わせて発声することなど)を磨くためです。

<基礎>
発声練習が終了して初めて立ち上がります。座っている時間は平均して20分間。足がしびれて動けなくなる人もいますが全員でイプに合わせて立ち上がり、ベーシックに移ります。所要時間と内容はその日の予定によっても、また教える側(クムやアラカイ)にもより異なります。

基礎の後は、以前習ったチャントや曲の復習や新しいステップ、チャント、オリなどを教わります。私達のクラスでは復習は各自行うものでクラスの時間内では主に新しいことを習います。踊りを教わるときはまず小節ごとに1度だけクムの振りを見てから全員で1-2回踊ってみて次に進むので長い1曲もあっという間に終わってしまいます。

すぐ覚えられる人には楽しいでしょうが、私のようにいつまでも何度も繰り返さないと覚えない人にはカセットテープレコーダーやビデオカメラが必需品です。録音して自宅で練習するからです。「クラスを欠席していたから」というのは理由になりません。休んだ分は後から誰かに教わって次回に備えるのです。1度でもクラスで踊った曲は全員が知っているものとみなされ、いつでも踊れるように頭と体で覚えておかなくてはいけません。ショーの直前などに何を踊るか言い渡されるからです。時にはショーの途中にミュージシャンの都合で変更することもあります。実際、先週末に出たショーではあらかじめ知らされていた3曲のほかに急遽2曲追加されることになり、1曲は前日、もう1曲は直前に習う羽目になりました。

ハラウでは決まった時期に全員が上のクラスに進むのではなく、クムが認めたら1人ずつ移るので各々状況が異なります。新参者は古株をつかまえてクラスの始まる前などにスタジオの外に出て自分の知らない曲を教わります。

今のクラスに中級クラスから移ってきた4年前はほとんどの曲を知らなかったので毎回冷や汗ものでした。週末や平日の夜にフラシスターの自宅に押しかけて何度も教わりました。私の場合、1度習ってもしばらく踊っていないと忘れてしまいます。大会のために散々練習した曲ですら数年後には見事なほどに忘れているので悲しくなります。復習はとても大切です。

クラスの時間は一応1時間半となっていますが、実際は様々です。前のクラスが延長されるため、私達のクラスは予定の午後7時半に始まることはめったにありません。それでも、万一クラスに遅れたら1人でメレカヘアをすることになるので、それが嫌な人たちは(私を含めて)時間を忠実に守ります。大抵の場合、予定終了時刻を大きく延長して終了します。ですからクラスの後には何も予定を入れられません。クラスの間には1回だけ「水飲み休憩」が5分ほど入ることがあります。練習が終了する頃は膝はがくがく、体はへとへとになります。でも、スポーツと同じようにフラの後は頭と心がすっきりして気持ちがよいものです。仕事がきつくて頭が痛い時も、多少体がだるい時も、重い足と腰をひきずってスタジオに入っても、出るときは不思議と元気を取り戻しています。

(Kawailani)

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