ハワイが生んだ踊りの名手、ダズ渡久地(とぐち)。前回はダズに舞踊への思いをじっくり語ってもらいましたが、今回は彼が得意な着物のおしゃれについて聞いてみました。
編集部明子(以下明子):こんにちは、ダズ! いつも着物姿が素敵だよね。今日は着物のおしゃれについて聞かせてくれる?
ダズ・トグチ(以下ダズ):いいよ! 着物のことならまかせて。
明子:いつも違う着物を着ているけど、着物は何枚持っているの?
ダズ:大体200枚。日本に行くたびに、浅草でまとめ買いするんだ。 明子:すごい! 私なんて1枚も持ってないよ(きっぱり)。
などと話しつつ、出雲大社のホールに移動し、ダズのお気に入りの着物を見せてもらうことになりました。
ダズ:(机の上に広げた着物を示しながら)、僕のコレクションのなかから特にユニークなものを持ってきたんだ。この打ち掛け(羽織)は僕がデザインしたんだ。創作舞踊「涙そうそう」の時の衣装だよ。水や涙を表す、透明感のある色を選んだんだ。だって「涙そうそう」は大切な人を亡くすという、とても悲しい歌だから。この衣装は5枚重ね。衣装の色やデザインは、曲の雰囲気を考えながら選ぶんだ。踊りの振り付けに合わせて考えたユニークな着物だよ。これを見て! 前の部分はダイヤのチェーンで留めてるようになってます。光モノ大好きなんだよね、もうほとんど大阪のおばちゃん状態だよ(爆)。
明子:えー自分でデザインしたの! アーティスティックだなあ〜。どこで布地を探すの?
ダズ:実はファブリック・マートで揃えたんだよ。ハワイ柄だけじゃなくて、ステージ衣装にぴったりの布地もたくさんあるんだよ。
明子:意外にも、ファブリック・マートはなかなか使えるということを発見。そちらの黒い着物は?
ダズ:これは僕がハイスクールを卒業して初めて手に入れた着物なんだ。2001年、沖縄に踊りの公演に行ったときに手に入れたものだよ。この着物は僕と一緒にあちこちに旅をしたよ。カリフォルニアにも行ったし、日本もね。
明子:そういえば、だいぶん前のお正月の時、ダズがこの着物を着てるのを見たことがあるよ。ねえねえ、その帯のところでキラッと光っているものは何? 小物のことも聞かせて!
ダズ:帯締めクリップだよ(キラキラとこれまた光モノです)。これを帯に飾るんだ。それほど目を引くわけではないけど、ちょっとしたアクセントになるよね。踊りのときは、着物と扇の色を合わせるのも大切だね。扇も振り付けの重要な一部だから手は抜けないよ。この帯は昨年の11月、浅草で買ったものなんだ。帯の色あわせも忘れずにね。足袋にも凝ってる。衣装も踊りの一部だから、いつも気を配ってるよ。
ダズの着物に対する情熱、こだわりに感激していると、「どうも、このたびは!」との声。出雲大社の天野大也神主さんも挨拶に出てきてくださいました。天野宮司をはじめ出雲大社の人々、踊り関係者の人々、そしてハワイのローカルの人皆から愛されるダズ。その人気の秘密は、踊りと歌の素晴らしさ、華やかさはもちろんのこと、皆に優しくとても謙虚な性格の良さ、超フレンドリーでお話好きで、なのに踊りに対してはとても厳しいプロフェッショナルなところ、そして誰よりも踊りと日本文化を愛しているところにあるのですね。ダズ、これからも頑張ってね。ハワイの歩き方は全力でダズを応援します!
ダズの公式ウェブサイトはこちら
インタビューこぼれ話! |
スター街道驀進中のダズですが、いつあってもニコヤカでとても優しく、全然威張ったところがありません。お正月の出雲大社では、ボランティアのリーダー的存在。いつも違った着物をキリリと着こなし、元気一杯にお守りを販売するダズ目当ての参拝客も多数訪れます。殆どのボランティアたちは、袴を穿くのがはじめての人ばかり。そんなボランティアさんたちの、だんだん緩んでくる着物や袴を、時々キュキュッと閉めなおしてまわるダズなのでした。これからも、その明るさと優しさ、フレンドリーさで、ずーっと人気者であり続けることでしょう。ダズが世界に羽ばたく日も、もうすぐですよ!皆さん応援してね。
(明子) |
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