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Eriko
人気連載「ハワイで直撃インタビュー」

第82回 ハワイでバイリンガル育成の達人、船津徹さん

投稿者: Eriko 更新日:2015年03月26日

Special Interview: Toru Funatsu

素敵な著名人をじっくりインタビューするこのコーナー。今回はTLC for Kidsの塾長で自身が著者の「移民の国アメリカ最先端の英語習得法」を出版した、船津徹さんにインタビューしました。

ハワイで直撃インタビュー 第82回 ハワイで優秀なバイリンガル育成の達人、船津徹さん

憧れのハワイ暮らし。でも英語圏ではない国からの移民の子どもたちは、環境の変化への適応はもちろん言語面でも大変な苦労をします。そんな子どもをサポートするための塾、TLC for Kidsをホノルルで開いている日本人がいます。塾で子どもに英語教育をしていく中で観察した自身の体験を素に、日本人にとって最も効果的な英語習得方を一冊の本にまとめた塾長の船津徹さんにインタビューしました。英語の勉強をしている方、始めようと思っている方は必見です!

移民の国アメリカ最先端の英語習得法

 

編集部まず、今回出版された本「移民の国アメリカ最先端の英語習得法」について教えていただけますか?

船津この本は日本で英語を勉強されている方々の大人向けです。もちろんアメリカ在住の方も勉強になりますよ。 内容自体は「サイトワーズ(SIGHT WORDSは頻繁に出てくるフレーズのことでアメリカでは幼児期に暗記させると自然に活字として認識できるとされる)」といいまして、幼稚園、小学生くらいの子どもが一番最初に勉強する超基本単語が中心となっています。いわゆる英語の頻出(ひんしゅつ)単語のことです。

 

編集部頻出単語ですか?

船津頻出英語って実はどの単語が一番よく使われているか科学的に分析できるんですよ。だからものすごく明確で、その300単語というのを覚えるだけで、ほとんどの英語の文章の読解力がつくのです。全ての英語の文章、子ども向けから大人向けの論文までの7割が構成されていますから。つまりその300を覚えるだけで7割が読めるというわけです。特に子ども向けの本の場合はその300語で90パーセントはカバーされていますからね。それを大人でも習得できるように書き出したものが今回のこの本というわけです。

 

編集部確かに会社やテレビとかでもよく聞くような言葉というのはあるなと感じますね。

船津というか、これがないと英語という文章が構成できないんですよ。英語を話せるようになるには必要な単語をいかに使いこなすかというのが必要なんでけど、どうしても日本の英語教育を受けているとまず英語を日本語に訳そうとしますから。全部の意味がわかっていなければならないということになって、そうなると必ずつまずきますよね? 300単語で7割が構成されているのに日本で教育を受けている人は、残りの3割ばかりに目を向けてしまっている。実際は7~8割はわかっているんですよ。それに目を向けてくれれば、大体英語の話の筋が理解できるというわけなのです。日本の翻訳の癖というのが、英語を学ぶ上で逆に邪魔するわけです。

 

移民の国アメリカ最先端の英語習得法

 

編集部では、船津さんが塾長をされているTLC for Kidsについて教えていただけますか?

船津さん(以下船津)TLC for Kidsは、移民の子どもたち、特に日本、中国、韓国、アジアからアメリカに移民してきた子どもたちの言葉の発達をサポートする塾なんです。塾の全体的な割合から言うと、生徒は日本人6割、残りの4割が韓国、台湾、香港などのアジア系移民の子どもたちです。彼らは家では英語以外の言葉をしゃべる子どもで、そういった子を中心に言語のサポートを行っています。

また、両親が全くアメリカの教育システムについて知らない場合、学校がどういうことを子どもに求めて親がどういう風に参加していったらよいのかもわかりませんよね? これを僕は「学校適応」と読んでいるのですが、これをサポートするためのお手伝いもしています。

 

編集部学校適応のサポートというと? 具体的に説明していただけますか?

船津アメリカの学校は日本の学校と違って、勉強のスキルと授業参加やリーダーシップや強力性をものすごく重視されるんですよね。それを知らないアジアの親は、子どもに勉強だけ詰め込んでふたを開けてみると成績が悪かった、という事も起こりえるんですよ。アメリカの学校では、必要な勉強以外の能力にも目を向けていかないとなかなか子どもは学校でよい成績がとりづらい、というので子どもがどんどん自信を無くしていくというパターンが起こる、それをなるべく減らしてあげるお手伝いというのが目的なんですよ。

 

編集部日本の方でもクラスに参加できますか?

船津できます! 最低一ヶ月からの受講で、サマーだけではなくて一ヶ月以上ならば大丈夫です。(塾の教室は)2通りあって、ハワイ在住の生徒は英語がしゃべれて読めますので、日本からの子どもさんとは別のクラスです。その代わりネイティブ(英語が母国語)の先生がフォニックス(文字と発音のルール)とサイトワード、僕はひらがなと漢字と読んでいるのですが、これを組み合わせで覚えさせれば一ヶ月でもだいぶ読めるようになります。やっぱり読む力を蓄えていくのが大事だと思います。話すことは日本に帰って使わなくなるとすぐに忘れてしまいますが、読む力は残りますのでね。

バイリンガルの育成

 

編集部ハワイ(アメリカ)に住む英語が第二ヶ国語の子どもたちはどういう点で苦労していますか?

船津これは、リーディングです。なぜかというと親が助けてあげられないからです。日本語だったら小学校一年に上がるときは親が読み書きを助けてあげられるんですが、英語では助けられないので学校任せにします。学校だけでは満足にリーディングの力がつくというのは無理なのです。これは日本語にしても言えることですが、やはり自宅で絵本の読み聞かせや文字読みのサポートをしてもらっていないと、学校の授業だけでリーディングの力を身につけるのは相当難しいのです。

これはアメリカ人の子どもにとっても同じなんですよ。家でのサポートの違いなんです。早く読める子は理解力が大きい。読むのが遅いと理解が深いのかといえばそうではなく、実際読むのが遅いと読んでいる間に読んだ内容を忘れていってしまうのです。早いスピードのほうが記憶にとどまらないのかというとそうではなく、遅ければ読む作業にだけ集中してしまって内容は頭に残っていないというのが実例です。速読=理解力につながるというのは科学的に証明されていることなのです。

編集部それは子どもだけでなく大人にも同じことが言えるのですか?

船津そうですね。これは僕が今回の本で書いている「英語取得法」にもつながっていることです。

バイリンガル、ハワイ

 

編集部日本で英語を勉強している方、またはこれから始めようと思っている方へのアドバイスはありますか?

船津英語は生活英語と学習英語の2つがあります。生活英語というのは会話力。学習英語というのは読む力。ですが、日本で英語力を見につけたかったら生活英語力は無理ですね。英語を話す環境にいないわけですから。ところが学習英語は勉強で身につけることができる! 

日本人は会話力よりもリーディング力にもっと目を向けるべきだと僕は思っています。それは先にも説明しましたが、「流暢に早く読める力を身につければ絶対英語を習得できる」という事につながっています。発音の仕組みがわかれば、英語圏の人のように英語の文章をフレーズ(語句)で読めるようになれるし、自然と読むのが早くなります。単語を文字だと思わず1フレーズ(1つのグループ)が単語と思えるようにならなければ早く読めないんです。その決まりきったパターンをこの本でものすごくたくさん紹介していますので、これらのフレーズを勉強すると英語がわかってきます。いわゆる、グッドモーニングとかサンキューなどの言葉なんです。これは日本人でも自然に頭に入っているでしょう? このように英語に訳さなくても自然に頭に入ってくるような言葉なんですよ。

 

編集部つまり、日本でも出来ることは学習用語を身につけることなんですよね?

船津そうです。リーディング力です。意味は2の次です。特に小さな子どもは、耳で覚えるので音読を習得させることが第一です。英語って以外と簡単な英語だけで構成されているので。子どもなどを見れば一目瞭然です。僕がこの本を書いたのは子どもたちの言語習得のプロセスを観察して、こういうことなんだなということを確信してからの事だから。

日本人で英語を勉強している人の中では難しい言葉を並べて話そうという人もいるようですがこれがかなり分かりづらい。子どものように簡単な言葉を組み合わせて会話を身につけるほうが良い、と僕は思います。コミュニケーションの基本は相手にいかにわかりやすく伝えるかということですからね。そちらのほうが気持ちよくコミュニケーションが成立するのではないでしょうかね? 僕は子どもたちには意味の書いてある辞書ではなく、いわゆる類語または同義語辞典を引かせるようにしています。今回の僕の本ではこのようなフレーズをたくさん紹介していますので、ぜひ読んで勉強してみてください。がんばってくださいね。

 

編集部今日は貴重なお話どうもありがとうございました。私たちもがんばってリーディングの練習をします。

船津ありがとうございます。

 

[船津徹さんプロフィールと本の紹介]  

ハワイで優秀なバイリンガルを育てて14年。TLC for Kids塾長の著書「移民の国アメリカ最先端の英語習得法」が日本全国の書店で発売となった。伊國屋書店新宿南口店、梅田本店の語学書ランキングで週間1位など好評を得ている。音声ファイルとオンライン動画レッスンもあり、実用的な英語力を身につけたい人におすすめの本だ。TLC for Kidsスクール、またはアラモアナセンター白木屋内ブックオフで購入できる。定価15ドル。

TLC for Kids: 

住所:1314 S. King St. Suite 1460, Honolulu, HI

ウェブサイト:www.tlcforkidsusa.com/jp

船津塾長のブログ:http://ameblo.jp/tlcforkids

 

(2015年3月更新)

 

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