ハワイ育ちで日本で活躍しているラッパーがいるのをご存知ですか? もともとラップというジャンルの音楽は激しいイメージが先走り馴染みにくかった筆者なのですが、Meisoのメローで心に語りかけるようなメロディと詩に新鮮さを覚えました。新しいジャンルのヒップホップを生み出しているグローバルなミュージシャン、Meisoにラップのこと、ハワイのことをじっくりお聞きしました!
編集部:ズバリどうしてラップなんですか?
Meiso:どうしてかな(笑)? 簡単にいうと好きだから。それぞれ好きなものがあると思うんですが僕の場合はこれだった。始めたのが15の時だったんですが、それまでけっこういろんなものが好きだったんですよね。例えばサッカーやアメフトなど。。。その後ラップと出会って面白いなあと思って、初めて気づいたらずっと続いていた、という。やめるタイミングがなかった(笑)。一生やれるものだなって感じています。
編集部:何か出会いみたいなのがあったのですか?
Meiso:衝撃的な出来事が2つあって、一つは、96年くらいだと思うんですが、「Dangerous Minds(デンジャラスマインド/卒業の日まで)」という映画を観て、この映画のサントラでクーリオの「ギャングスター・パラダイス」という曲が流れていて。その時初めて、その映画が好きなのと同時に初めて、こういう音楽って面白いな、と全く新しい世界が開けた感覚がしました。
そしてその頃夏はテキサス(米テキサス州)に戻ったりしていたんですが、15のときに「ティーンズ・ナイト」というクラブ・イベントがあったんですよ。そこに恐る恐る行って隅っこで観ていました。「これが本場のクラブなのか!?」みたいな感じでしたね。
編集部:なぜMeisoなのですか?
Meiso:瞑想すると頭の中にいろんな言葉やイメージが出てくるんですけど、それを一個ずつとらえて話す、というのが禅の瞑想のやりかたで。僕はしばらく禅の瞑想をやっていたのですが、フリースタイル(ラップ)というのがそれに似ている。頭に浮かんだ物をそのまま言葉にする、そうするとつながっていく、それが繋がり自然に流 れていく中に平穏な瞬間というものが広がる、という経験をしたんで、フリースタイルラップを瞑想的にやっていた人間として「Meiso」という名前にしま した。それで自分のレコード会社もメディテーティブ(Meditativeは英語で瞑想という意味)と言うのです。
■関連記事/【音楽】ハワイのグラミー賞、来年は日本からスタート!
|
着用のキャップは自分でデザインした「メディテーティブ」のロゴ入り |
編集部:ラップというと詩がすごく大事だと思うんですが、曲を作るときのインスピレーションなどありますか?
Meiso:そうですね。その曲にもよると思うんですが、ふとシャワーを浴びていたり、歩きながら湧いてくることもあるんですけど、それってわりと受け身なんですよね。受け身にして突然雷が落ちてくるように曲が生まれるのを待つ方法もあるんですけど、それってクオリティはすごく良いものができるけど制作にはかなり時間がかかる。最近僕はそれを自分で誘う方法を開発していて、どうやったらインスピレーションが浮かぶか? 例えば夜の街を徘徊する、お酒と外に行くという組み合わせ、だとかはけっこう曲作りに使えます。
編集部:ハワイからうけるインスピレーションはありますか?
Meiso:今年5月に出たこのアルバム、「サンシャイン・アンド・ココナッツ・ウォーター(写真下)」。これはハワイを題材にしているんですが、日本にいる間にハワイのことを思い出しながらゼロから作ったものなんです。ハワイのことを思い出しながら作った、というようにハワイがインスピレーションになっているわけだけど、逆にハワイから離れているから、多分目の前に見えていない方が作りやすいのかな? とこれに関しては思いました。
編集部:日米のハーフで日本で幼少期を過ごして高校生の時にハワイに越してこられたんですよね? こちらに来たときカルチャーショックとかありました?
Meiso:ハワイにきたばかりの時に、周りの人がピジョン・イングリッシュ(ハワイの地元の人が話す英語)を話していて、わからなくてちょっとびっくりした(笑)。それと食事の量。こっちはプレートランチがでかいから、こっちにいるとすごく食べるようになるけど日本に戻ると半分くらいで大丈夫。あとハワイの人は笑顔がいいじゃないですか? 東京にいると皆そうでないので僕も次第に東京化してくるんで、ハワイに来て知らない人が「ヘイ!」とか言ってくれると心が暖まりますね。
編集部:ハワイと日本での経験が今の音楽活動につながっていると思いますか?
Meiso:自分の人生がそのまま題材になって料理するというか、全部がチャネルしているんですが、特にハーフであることに焦点を当てると、英語が理解できるので英語のラップのリリックもインスピレーションとして学べる。日本語のラッパーだと英語がそこまで解らなかったら日本語のラップで学ぶか、ほんとの英語の入り組んだ言葉遊びや詩的な表現まではちょっと聴いただけでは分からないところもあるので、それはけっこう勉強できたので。例えば、日本で漱石とかは読んでいるけどシェイクスピアを読んでいないみたいな、幅広いところからインスピレーションを受けて曲を作れる状態になれたのはよかったと思いますね。
あとラップするときに、英語で先に考えてから日本語に直すというやり方をするということからストレートに日本語で考えるというのより違った方法で曲が作れると思います。
編集部:バイリンガルであることはアドバンテージだと思いますか?
Meiso:でしょうね。ただでも今日本では英語をそれっぽく発音するラップが流行っているんですけど、それに染まりたくないという勝手な自分の考えがあって、バイリンガルだからこそ両方に届くような形で出したいな、と思いますね。英語のフレーズを挟んでかっこ良く聴かせるのではなくアメリカにも通じるものを作りたいです。
編集部:ハワイにきたら一番に何をしたいですか?
Meiso:海に行きたいですね。サーフィン。実際こっちに戻っていたら一番にサーフィンに行くしやっぱり海に入ると気持ちがリフレッシュしますね。東京ではできないことなので。ワイキキにボードを置いているのでワイキキビーチでまずサクッといきます。
編集部:ハワイで一番好きな場所は?
Meiso:ノースショアのとあるスポットです(笑)。以前はカイルアのサーフショップで働いていたこともあります。そこでスタンダップパドルやサーフを日本人観光客をメインに教えたりして食べていたこともありました(笑)。
編集部:今後の音楽活動の抱負は?
Meiso:自分の作品も面白い、新しい、心地よい音楽を作りたいのはもちろんですけど、一つ今考えているのは、スポーツでも何でもスキルが大事ですよね? サーフィンや上手くなっていくとスキルで競い合ってスポーツや音楽であったりジャンルが進化していくと思うんですけど。ただヒッピホップに関しては、聞き手にとってはそれはそこまで大事じゃないんだよな、と最近気づいたんです。なのでスキル中心なものでなく、ただ聞いていて心地良いものにしたいという気持ちを込めてこれ(サンシャイン・ココナッツ・ウォーター)を作って、今までのより肩の力を抜いた物ができてます。これまでの濃厚な詩とは違って、これからはドライブ中もかかっていても気にならない心地よいBGMみたいなのをテーマにして一歩進みたいと思います。
それとメディテーティブ・レコード(独自のレーベル)から新しいアーティストを生み出すこと。自分のカッコいいと思える人、できたらハワイから日本へ、日本からハワイへの橋渡し的な事もできたら面白いなと思います。ラップだけに拘らずいろんなジャンルをまたいでね。
編集部:モットー、または人生のモデルのようなものはありますか?
Meiso:人生は映画だ、プラスマイナスより面白い作品になるように生きたい!
編集部:最後にMyハワイの読者にメッセージをお願いします!
Meiso:ハワイは1年中あったかくて気持ちのいいところなんで、いそいそと色んなところを回りすぎないで、半日でもいいからビーチでのんびり寝る時間を持つといいですね。
[Meisoプロフィール] 東京出身で高校生の時にホノルルに移住。日本とハワイを拠点に活動するMC。2003年にはB-Boy ParkのMCバトルに飛び入り参加し優勝の経験も持つフリースタイルラッパー。現在は都内の渋谷や恵比寿のクラブを中心にライブ活動をしながら次のリリースに向け作曲を続けている。昨年5月に自分で立ち上げ経営するレーベル「メディテーティブ・レコード」から、夏物の曲を集めた「サンシャイン&ココナッツ・ウォーター」をリリース。
Meditative Records Facebook : https://www.facebook.com/mdtrcd Twitter : https://twitter.com/MeditativeRec
MEISO Twitter : https://twitter.com/MEISO_
Booking Info: meditative777@gmail.com
ミュージックビデオ Meiso and Muzono “クリームソーダ/Cream Soda”
【MEISO CDプレゼント!】 上のインタビューでご紹介した「サンシャイン&ココナッツ・ウォーター」のCDをMyハワイの読者の中から1名の方にプレゼントします。
(応募方法) Eメールでご応募ください。Eメールの件名を「MEISO希望」とした上で、本文に1.お名前、2.郵便番号と御住所、3.お電話番号、4.年代(20才 以下、20代前半、20代後半、30代前半、30代後半、40代前半、40代後半、50代前半、50代後半、60才以上)をお書きのうえeditor@hawaii-arukikata.comまでEメールでご応募ください。
応募締め切りは2月4日(日本時間で2月5日)です。当選者の発表はメールニュース上で行います。ふるってご応募ください!
|
コメントを残す