編集長、野崎彩子:今日は、わざわざお時間を作っていただき、ありがとうございます。前々から古代ハワイアンのへイアウ(神殿)が好きでよく行くのですが、参拝するときの正式なルールを学びたいと思っていたんです。
カイミロア・ダハン(以下カイミロア):ハワイアンの神殿での正式な作法というのは、ハワイアンの血を引く者にとってはとても重要なのですが、人種も文化も違う人たちがこうして興味をもってくれるというのはうれしいことです。
彩子:日本人でも、ハワイアンの聖地に行ってお祈りしたり、ハワイアンの教えを学んだりしてしまってもいいのでしょうか?
カイミロア:伝統的には、ハワイアンの深いスピリチュアルな教えは限られたハワイアンのみに伝えられるものでした。でも、このままでは、ハワイアンの本当のスピリチュアリティが絶えてしまうので、10年くらい前からハワイアンの血を引かない人にも、私はクプナ(長老)たちから学んだ教えを伝えはじめたのです。
彩子:そうだったんですか。それは、やはり当時のハワイアンの血を引く人たちにとっては、大変なことだったんですよね。
カイミロア:ええ。その当時は、批判もずいぶん受けました。よそものにハワイアンの奥義を教えるなんて、「バチが当たって、病気になるぞ」なんてよく言われました。でも、その許可を与えてくれたクプナもいましたし、「あなたはハワイの神々に守られているから大丈夫」、といわれました。それから、10年くらい経ちましたが、このとおり元気ですし、いいことがたくさん起きたので、これで良かったということが証明されているようなものですね。
彩子:それでは、ハワイアンのヘイアウ(神殿)などの聖地に入る際の具体的なルールを教えてください。
カイミロア: 祈りや礼拝を始める前にすることは… 1. 入り口で立ち止まる 2. 自分の名前、どこから来たか、親や先祖の名前を述べる。(できれば、3代遡って家系をいう。わからなければ、せめて一代はさかのぼる) 3. その聖地へ来た目的を述べる。(例えば、「私は、ハワイの伝統文化をより深く理解し、癒しのマナを受けるためにこの場所へやってきました」など) 4. 入っても良いか許可を求める。(「ここに入ることをお許しください」など)
彩子: なるほど。やはり、正式にご挨拶をして、神聖な場所に入ってもよいか許可を得ることが大切なんですね。 カイミロア:参拝の仕方は、ハワイアンの間でも家系や系譜によって祈り方が違うんです。まずは、普遍的なやり方で祈った後、自分の家系や宗派に伝わる祈り方をしてよいのです。古代ハワイアンは、他の島から部族が訪ねる場合、カヌーでまずお互いにオリ(詠唱)を交わしていたのです。その後に太極拳のような踊りを交わしていました。それによって、相手がどのような歴史や伝統、技術を持っているかを知ることができるのです。ですから、ヘイアウに入る際に、ハワイアンの方法で許可を求めた後に、日本の方だったら日本人が伝統的に祈る方法で祈ってもいいんですよ。
彩子:なるほど。たとえば、日本人なら、神社の作法でもよいということですね。
カイミロア:私の場合は、通常のハワイ語のチャント(祈り)を唱えた後に、自分が師事した長老たちから受け継いだ4つの方位に祈る、ということをしています。
彩子:「聖地に入るのに神々に許可を求める」、ということをしますよね。これは、その答えというか、入っていいかダメかということは、どうやって見極めるのですか?
カイミロア:ハワイアンのへイアウでの正式な参拝の方法では、参拝者がチャント(祝詞)で許可を求める祈りを捧げ、ヘイアウの代表者(管理者)が「どうぞお入りください」というチャントで神々に代わって返答を述べます。(注:上の写真は、カイミロアさんがハワイ王室霊廟の館長(管理者)であるビル・マイオホ氏に許可を求めるチャントを交わしているところ)
彩子:なるほど。正式には、神殿の管理をしている方やマウナ・アラ(ハワイ王室霊廟)だったら、館長さんとアポイントメントを取り、チャント(祝詞)をやりとりしてから入るのですね。でも、へイアウの管理者の方もお忙しい場合もありますし、無人の聖地もありますよね。その場合は心の中で許可を求めたあと、どうすればよいのですか?
カイミロア:周囲の自然環境からサイン(兆候、メッセージ)を読み取って、入ってよいかだめかを判断します。例えば、鳥が鳴いたり、心地よい風が吹いたり、雲の形が変わる、虹が出るなどですね。また、参拝者の体調を見て、とくにお腹のあたりにストレスを感じたり重い感じがしたり、鳥肌が立ったりすればノー、いい感覚があればイエスと判断します。
彩子: へイアウ(神殿)に入っていけない場合というのはありますか?
カイミロア:女性の場合は、月経の時は神殿には入らないほうがいいですね。月経というのは、体の中が浄化されている期間ですので、新しく生まれ変わっている時期なのです。体の中のいらないもの、つまり死んだものが外に出ている時期なので、へイアウからのエナジーを直接的に受け入れられないのです。でも、神殿の外にいるだけでも、十分に癒しを感じることができますから、安心してくださいね。
彩子:なるほど。聖地に入る前に、いろいろなことを考えなくてはいけないんですね。心の持ち方として、どういう気持ちで行けば良いのでしょうか。
カイミロア:ハワイの文化から学びたいという気持ち。それから、自分の持っているバックグラウンド(先祖)や善意(自分の心の中にある愛、知識、役に立ちたいという気持ちなど)をハワイの祖霊たちとシェア(共有)したいという気持ちを持つこと。ハワイ文化を尊重する気持ちで入ることが大切です。
彩子:遊び感覚や観光ではなく、学ぶ気持ちを持つということですね。そして、自分の中にある愛や善意を捧げる、ということですね。ところで、シェア(共有)ということは、日本人にはちょっとわかりにくいんですが、どういう意味なんでしょうか。
カイミロア:聖地に入るための許可というのは、参拝者とその場所を守るハワイアンの祖霊たちとの「平和協定」のようなものなんです。この場所を冒涜しにきたのではない、ということをその聖地を守っている祖霊たちに伝えること。参拝する際には、癒しやマナを頂くだけではなく、「シェア(共有)」するという気持ちで来ることが大切なんです。「シェア(共有)」するには、自分の心の中にある愛や知恵などを相手(またはその場所)に捧げて、はじめてその場所の持つ愛やマナを頂くことができます。聖地を訪れるということは、お互いのアロハを交換し合うことです。自分がその場所にいることは、自分の先祖も背景にいるということを忘れないで、先祖と共に聖地に入っていきます。すると、その場所を見守っているハワイアンの祖霊たちも参拝者を受け入れてくれるのです。
彩子:とっても良くわかりました。日本人的な感覚だとつい、神聖なパワースポットなどではマナやご利益を頂くことばっかりを考えがちなんですよね。自分の中にある素晴らしいところ、アロハの気持ちをその聖地に捧げて、どうすれば自分がハワイの自然や人々の役に立てるかも考える。そういう気持ちで、自分の先祖と一緒にハワイアンの神殿に入っていくと、ハワイの神々も助けてくれるし、マナも頂けるということなんですね。今日は、本当に貴重なお話をありがとうございました。
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匿名 said on 2015年08月25日
ハワイの歩き方編集長
野崎綾子さま
はじめまして
こちらの記事を読ませていただき、近々9/3ハワイに参りますので、ぜひご挨拶に参らせていただきたいと思ったのですが、
交通機関がわかりません。
バスなど走っているのでしょうか?あれば教えて頂けますでしょうか?
検索してもなかなか行き方が出てきませんでしたので。
住所を地図に入れると場所は特定できたのですが。
当日アラモアナホテルから向かう予定です。
タクシーで行っても帰りのタクシーがあるのかもわからずで。事務所からタクシーを手配などできるのでしょうか?
英語もあまり自信がないので。できましたら、City bus でもあればと、調べておきたいと思いまして。
また、献花もしていですが、お花を買えるところもわからずで、アラモアナショッピングセンターとかに献花用のお花など販売しているでしょうか?
スケジュールがタイトなため、お花を買って、行き帰りトータル②時間半~3時間以内で戻ってこれればと思っております。
厚かましいお願いかと思いましたが、ネットで調べても情報少なく、
予定が立たず、困っております。
お手数ですが、ご紹介いただけましたら幸いでございます。
Nachika