Interview : YWCA Oahu CEO, Noriko Namiki
ハワイで出会った素敵な人々をじっくりインタビューするこのコーナー。今回は非営利団体YWCAオアフのCEOを務める並木則子さんにインタビュー。元々CNNの東京支局でキャリアを積んできたという並木さんに、ハワイに移住することになったきっかけや、現在のハワイでの活動などについてお聞きしました。
ハワイで直撃インタビュー 第77回 YWCA オアフ CEO 並木則子さん
編集部:ハワイにはいつから住んでいるんですか? 移住したきっかけについても教えていただけますか?
並木さん:東京の浅草近くの町、東駒形出身なんですが、昔からジャーナリズムに興味を持っており、世界に目を向けていました。本当はアメリカの大学も考えたのですが、ハワイにある大学(シャミナード大学)なら親もしぶしぶ承諾してくれて、そこに進学しました。当時はハワイの地元テレビ局KITVでインターンとして働かせてもらっていたんですよ。
編集部:そして卒業後はどうされたんですか?
並木さん:日本に戻って、CNN(アメリカの放送局)の東京支局でプロデューサーとして働いていました。そのときに東京特派員としてアメリカから来ていた男性が現在の主人です。そして、私にはニューヨークへの転勤が、彼にはワシントンD.C.への転勤辞令が出てしまったんです。そこで、私がCNNを退社して彼と一緒にワシントンD.C.に行くことにしたんです。彼の仕事柄、その後も何ヶ所かを転勤し、また日本に戻ってきて東京で暮らしていました。
編集部:アメリカ各地、東京とさまざまな場所を移り住んでいったんですね。
並木さん:はい、結局日本には5年くらい住んでいたでしょうか。でも前からハワイには年に2回くらいは旅行に来ていて、主人と一緒に「いつかハワイで暮らしたい」という思いがずっとあったんです。それで、私は当時ABCニュース(アメリカの放送局)の東京支局でプロデューサーとして働いていたんですが、私も主人も二人とも仕事をすっぱり辞めて、ハワイに来てしまったんです。こんな方法は、あまり人にはお勧めできませんけれどね(笑)。それがちょうど5年前のことです。
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編集部:えぇぇ~!それはすごい決断でしたね。ハワイでの仕事が決まっているわけでもないんですよね。
そこまで並木さんご夫婦の気持ちを決定づけたのには、どんな理由があったんでしょうか?
並木さん:やっぱり人でしょうか…。ハワイにはマジョリティ(住民の中で大多数を占める人種のこと)がない、と言われているように、色んな国の人が住んでいて、色んな文化がミックスしているんですよね。そういった、日本的すぎもせず、アメリカ的すぎもしない、あらゆる要素が交じりあった感じが、とても心地よいと感じるんです。例えば、さっきお昼に行ったパスタ屋さんでお箸が出てきて、ローカルと一緒にお箸でパスタを食べたんですよ。パスタを頼んでお箸を普通に出してくれる店なんて、ハワイでなければありえないですよね。きっとそういう感じが、自分にとても合っているんだと思い ます。
編集部:わかります!おにぎり(ハワイの人はMusubiと呼びます)など、日本でなじみのあるものをハワイの人も当たり前に生活に取り入れていますよね。では、ハワイに来てからの現在の仕事について教えてもらえますか?
並木さん:女性の社会参画や人権を守る活動を行う非営利団体、YWCA(Young Women’s Christian Association)オアフの当時のCEOに声をかけてもらい、私のこれまでの経験を活かして広報のような役割で仕事を始めました。そうしたらCEOが退社してしまい、新しい人を探している間も臨時としてCEOを務め、結局そのまま正式に次のCEOとして私が新任されることになったんです。
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編集部:これまでの報道のお仕事と比べて、やっていることがかなり違うのではないですか?
並木さん:もともとジャーナリズムに興味があったのも、様々な社会問題を取り上げたいという思いがあったからなんです。でも報道は、そのような問題を取り上げて外から見て報じるというスタンス。でも現在私たちがやっているのは、問題の中にまで入ってそれを解決するんです。ニューヨークに住んでいたときに、大学院に進んでソーシャルワークを学んだんですが、それも今につながっているんですよね。
編集部:YWCAオアフではどんな活動を行っているんですか?
並木さん:ひとつに「Dress for Success (ドレス・フォー・サクセス)」という活動があって、これは例えばDV被害の女性や刑務所から出てきたばかりの女性が仕事を見つけるまでの指導を行い、面接のときに着ていく際にはボランティアから集まった洋服を渡し、さらに仕事が決まったあとも当面使うであろう洋服を何着か寄付するというものなんです。もうハワイでは11年も続く活動で、それをもっと広く知ってもらおうと、広報ビデオを作ったりEニュースを始めたりしているんです。
編集部:ドレス・フォー・サクセスへの寄付はアラモアナセンターで行われていたりしますよね。
ダウンタウンにあるYWCAというと、レストラン「カフェ・ジュリア」が評判ですが、それ以外に旅行でハワイに来る人でも何か参加できるアクティビティなどはありますか?
並木さん:ありますよ。YWCAは平日は朝5時から開いているのですが、ヨガ、フラ、ブートキャンプ、キックボクシングなどのフィットネスやカルチャークラスが行われていて、16才以上ならどなたでも事前予約無しで利用できます(ワンデーパス$15、ウィークリーパス$25)。また英語でのボランティア体験をサポートする試みもしていて、英語を学びたい方や長期滞在している方にもこれらはいいかもしれませんね。
ちなみにカフェ・ジュリアは毎週土曜日は結婚式などの利用のために休館なのですが、その人気がとても高くて来年1年分はもう既に予約でほぼ埋まっているくらいなんですよ。
編集部:そうなんですね!編集部もぜひ今度参加させていただきたいです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
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●YWCAオアフ
住所:1040 Richard Street、Honolulu HI 96813
フィットネスセンター開館時間:月曜~金曜 5:00am-7:00pm 日曜 8:00am-2:00pm ※土曜休み
ウェブサイト(英語):www.ywcaoahu.org
カフェ・ジュリア
営業時間:月曜~火曜 11:00am-2:00pm
水曜~金曜 11:00am-2:00pm 4:00pm-9:00pm 日曜 4:00pm-9:00pm ※土曜休み
電話:(808)533-3334
駐車場:食事をした方はAli’i Place (1099 Alakea Street.)での駐車が1時間利用無料に
ウェブサイト(英語):cafejuliahawaii.com
(2014年12月更新)
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