和子:石原プロデューサー、本日はお忙しい中ありがとうございます。
石原さん(以下敬称略):いえいえ。こちらこそ。
和子:ルイ・ヴィトン国際映画祭の取りとして、今日本でも話題の映画「フラガール」がここ、ハワイ・シアター・センターでいよいよ上映されますね。おめでとうございます。
石原:ありがとうございます。
和子:日本でも公開とともにかなりの反響があるようですが、この「フラガール」の見所はズバリどこでしょうか?
石原:そうですね。やはり女優さんたちが踊るフラダンスのシーンですね。特にラストシーンは圧巻です。
和子:なるほど。フラダンスは演じる側からすると入りやすそうでしたか?
石原:いえいえ。フラダンスって動きがゆるやかなので、「そう難しくないのかな?」と私自身思っていたら、それが大間違いで、実は「意外と難しかった」と出演した女優さんたちもおっしゃっていましたよ。やはり腰を落として踊らなければならない分、結構大変だったようです。
和子:おっしゃる通り! フラダンスって、あの優雅な動きとは違って意外と大変なんですよね。涼しい顔して踊ってらっしゃる女優さんたちも裏ではそんな苦労もあったんだ… なんて思って映画を見るとまた面白そうですね。そもそも、石原プロデューサーは、どうやってこの映画の構想はどのように思いついたのでしょうか?
石原:実はですね、3年くらい前でしょうか… 普段はあまり早く帰れないんですが、その日は珍しく8時くらいに帰れたんです。その時に、テレビをつけたら世界中のびっくり話を集めたクイズ番組をやっていましてね。で、その時に「常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)」を作るに当たっての秘話が紹介されていたんです。
和子:なるほど。
炭鉱の町から一転観光産業に… |
石原:ええ。その時に、炭鉱の町がどのようにして観光産業に移行していったのかという話を聞いて、私自身全く知らなかったものですから、「え?そうなんだ!」という感じで… だって、今から職業変えろなんて言われても大変じゃないですか?
和子:そうですよね。ちょっとやそっとのリストラじゃありませんもんね。炭鉱を掘り続けた人たちが、観光業にってことは、全く違う分野への挑戦。ちょっとやそっとの転向ではありませんもんねぇ。
石原:そうそう。それで、人間死ぬ気になれば何でもできるんだなと思いまして。そのテレビ番組を見てすごく勇気付けられたんです。
和子:そうなんですかぁ…
石原:ええ。で、翌日すぐにその常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の広報係に電話しまして資料を取り寄せたんです。そして調べれば調べるほど面白い人たちがどんどん出てきたので、直感的に「これは映画になるな!」と思ったんです。 和子:石原プロデューサーはいつもそんなにアクション早いんですか?
石原:いえ、遅いんです。いつも迷いがあるんですよね。テレビで何か面白いものを見つけてもちょっと調べて「誰か見るかしら?」って思ったり。そうすると立ち消えになっちゃいますよね。
和子:でもこの映画は何かピピッと来るものがあったと?
石原:そうですね。この映画「フラガール」は噛めば噛むほど面白い映画になるなと…
和子:なるほど。その直感とは逆に、「ここは苦労したな」というところはありますか?
石原:やはり「炭鉱がないこと!」これに尽きますね。日本では、ある意味江戸時代の方が作りやすいんですね。映画村行っちゃえばいいので(笑)。でも、戦後くらいの時代劇が一番お金もかかるし、場所がないんですよね。というのが、電信柱はコンクリートだし、窓枠はサッシになってるし、もう看板はあちこちできちゃってますでしょ?
和子:そうですね。
石原:どんな田舎に行ってもそうなんですよ。で、この映画の舞台になっている炭鉱住宅、いわゆる「炭住」もほとんど残っていないんですよね。ハワイアンセンターがある磐城に若干残っている程度。ですから、そこによその炭鉱から機材を持ってきて「炭住」を再現したわけなんです。
和子:そうすると、かなり大掛かりなセットになったのではないですか?
石原:まー、大掛かりというほど予算はなかったので、「中掛かり」かな(笑)! ごまかし、ごまかし撮りましたね。
和子:予算を見ながらいかにそれらしいものを作るかが勝負だったわけですね。
常磐ハワイアセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の誕生を基に作られた映画「フラガール」 |
石原:そうです。でも、そうは言っても美術監督と撮影監督が頼りになりましたから、彼らの協力で何とか作り上げることができました。
和子:なるほど。そんなご苦労があったんですね。あと、今回のこの映画で、松雪泰子さんをあの役で起用されたのは何かわけがあるんでしょうか?
石原:私は、彼女をあのキャラで使いたいなと思ってたんです。「白鳥麗子でございます!」のドラマの時のキャラと似ているところがありますよね。
和子:そうですね。イメージありますよね。
石原:でも、本当に美しい方でいらっしゃるので、割としっとりした役が多かったんですよね、ここ数年。ただ、ちょっと塔が立ってきて… って言ったら松雪さんに怒られちゃいますけど(笑)。でも、まぁ、アイドルと呼ばれる年齢とは少し遠くなってきた、けれども美しい松雪さんが「まだまだ若い子には負けないわ!」っていうどこか30代の代表のような役をやってくださるといいなーと常日頃思っていたんです。
和子:へぇ。
石原:で、映画の企画段階で我々はよく仮にキャストを決めるんですけど、私はその時に「泰子」って名前を書いたんですよね。
和子:そうすると、プロデューサーの中ではなんとなく決めていたと?
石原:そうですね。「この人にやって欲しいな」と思っていたんでしょうね。それに、ダンサーの役ですから体型の問題もありますよね。彼女だったら顔も小さくて手足が長くて細いですから。そして美しいから、少し気が強い面も出せますよね? でも、一方では涙を見せるかわいい面も出せる。それからもう一つ理由がありましてね。
和子:なんですか?
石原:彼女は、「女性に嫌われない人かな」と思ったんです。彼女は男に媚びる売り方していませんよね。ある時、彼女のファンクラブを見たら、8割が女性だったんです。そうしたこともあって、彼女に決めましたね。
ウクレレで多様なジャンルの音楽を自由自在にパフォーマンス |
和子:なるほど。でも、映画を見ると彼女がやはりはまり役かなと思いますね。松雪さん以外のキャストの起用の仕方でも話題になったこの映画ですが、音楽もハワイ出身のウクレレ奏者「ジェイク・シマブクロ」を採用したのは何か狙いがあったのでしょうか?
石原:そうですね。最初から音楽はハワイの方でいきたいなと思っていました。それでたくさんCDを聞いたんですけど、この映画にはジェイクさんが合っているなと。彼のピュアなところが、炭鉱に住む田舎の純粋な女の子たちに合っているのと、ウクレレを使った音楽が新しいなと思ったんですよね。そして、何よりも彼は様々な音楽のジャンルをウクレレで演奏しますでしょ?
和子:そうですね。ウクレレだけどハワイアン音楽だけじゃない…
石原:そうなんです。まさにそれが欲しかったんです。というのも、映画の中に踊るシーンがたくさん出てくるので、ハワイアン音楽が散りばめられていますから、その雰囲気を壊さずに、ウクレレの音で違うジャンルの映画音楽を作って欲しいなと思っていたんです。
和子:そうですか。
石原:はい、そう言った意味で「この人しかいないな」と思いましたね。
和子:音楽もキャストも、もちろん内容も、石原プロデューサーや他のスタッフの方々の頑張りが実を結んで、今日本では話題の映画となっていますが、その反響の大きさについてはどうお思いですか? 作成している最中にはこんなに大きな反響を呼ぶことは予想されていましたか?
石原:いえいえ、全く。炭鉱の話なんか、みんな見向きもしないんじゃないかって不安の方が大きかったですね。
和子:そうすると、予想外の大きな反響だったということですね。
石原:はい、そうですねぇ。
和子:それでは最後に、映画「フラガール」をまだご覧になっていない方に向けてメッセージをお願いします!
石原:この映画「フラガール」は、人生に迷った時や落ち込んだ時にぜひ見てください。必ず背中を押してくれる映画になっています。元気をもらえますので、機会があればぜひご覧ください。
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次回は一体、どんな幸せゲストのお話が聞けるのでしょうか? 次回の幸せのオーラをお楽しみに! |
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