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Eriko
人気連載「ハワイで直撃インタビュー」

第49回 ハワイ大学博士課程在学中、ヴィンス岡田さん(後編)

投稿者: Eriko 更新日:2013年03月23日

ハワイは色んな国の人たちが入り混じる多文化でユニークな土地でもあります。そんな中でがんばっている日本人に出会いました! 今回はハワイ大学マノア校ソーシャルワークで博士号を目指すミツハル・ヴィンセント岡田さんにインタビューしました。

ハワイで直撃インタビュー 第49回 ハワイ大学博士課程在学中、ヴィンス岡田さん(後編)

 

ハワイ大学博士課程在学中、ヴィンス岡田さん

ヴィンス岡田さんプロフィール:ハワイ大学Myron B. Thompson School of Social Work(社会福祉学部)の博士過程に在学中。マノア校イースト・ウエスト・センターのFellow(研究員生)。ハワイ在住歴6年。ロスアンゼルス、ニュージャージー、フロリダのオーランド、タンパ、マイアミも在住経験あり。学業の傍ら ハワイで数々のボランティア活動にも従事。地元の和太鼓チームでも活躍。

(前編からの続き)

編集部:ハワイ大学でのことについて教えてください。現在ヴィンスさんが所属されている、イースト・ウエスト・センターではどういう活動をされているのですか?

ヴィンス:イースト・ウェスト・センター(EWC)は、1960年にアメリカ政府がアジア・太平洋地区の理解向上と研究を目的に設立された機構です。アジア・太平洋地区の研究・ネットワークがとても強いので、研究機会であったり、奨学金や情報提供などのリソース提供の協力をもらっています。僕は、2006年に南カリフォルニア大学(USC)国際公共政策大学院の修士課程終了後、ハワイに戻りEWCのAsia Pacific Leadership Program (APLP)に参加しました。その後2008年に、ハワイ大で博士課程を始めた際に、student affiliateのfellowshipをもらえることとなりました。 博士課程では、日本のアイヌ政策や先住民族の方々の福祉に関わる研究をしているのですが、ここ最近では研究で日本、アジアや南米にも行く事があります。 また、アイヌのことをより多くの人に知っていただきたいと思い、北海道大学の知り合いとその構想に数年かけて、EWCのArts Programと北海道大学アイヌ先住民研究センターのご協力をいただくことが出来まして、先日記事にもしていただいたのですが、2013年1月から5月まで、EWCのアート・ギャラリーで「アイヌアート展」が行われています。

編集部:ハワイ大学は海外(特に日本)との交流にどのように貢献していると思いますか? 

ヴィンス:日本人学生の受け入れの数でしょうかね。ハワイ大の日本人学生の数自体もそうだとは思いますが、短期などで来る学生や学校単位での滞在の受け入れ数も相当だと思います。またCenter for Japanese Studies(日本研究センター)、 Center for Okinawan Studies(沖縄研究センター)という日本研究の専門家が集まったセンターもあって、日本関連のイベントもたくさんあります。 その先生方の指導のもと日本の研究をする学生がたくさんいます。あるとき、アイヌ語のことを調べていたら、専門家の先生にハワイ大の先生が偶然いました。そこでお願いをして、アイヌ語のクラスを1学期していただいた事もあります。日系人も多いですし、「外から見る/外から学ぶ日本」では、もしかしたら世界一の場所ではないでしょうか。

アイヌ・アート展も開催しました

編集部:ハワイ大学へ留学を考えている人たちにアドバイスをお願いします。

ヴィンス:良い天気で、きれいな海も、山もたくさんあるし、気を惑わすものが多いんですよね。でも、強い心を持って勉強してほしいです。特に始めは自らチャレンジ精神を持つといいと思います。もちろん、バランスを取るのが大切なんでしょうね。「留学しに行く!」というより、「生活をしに行く!」という感覚がいいのかなとも思います。あとは、ハワイでなくてもですが、海外に行くからこそ、日本のことを知っておくといいと思います。アメリカ人、他の国の人たちは、みなさんを「日本の代表」として見る事になりますからね。日本のことに詳しい人もたくさんいます。ただ毎日を過ごすだけじゃなくて、何をするにも目的意識をもって、どんどん外に出てたくさんのことを経験して、たくさんの人と出会って充実した毎日をおくって、将来は国だったり、世界だったり、社会に貢献できる人材になっていけるような留学生活を送ってほしいと思います。

編集部:ハワイ留学することのメリットはどういうところにあると思いますか?

ヴィンス:ハワイは本当に奥が深いと思います。観光のところだけで見れるような部分もハワイの一部だとは思いますが、それだけで何年も住んでるとお金はもたないし、飽きてしまうかもしれません。歴史や文化、人々、話し方も、本土とは全く違いますよね。山もあって海もあって都会もあれば田舎もある。すごい多文化だから、本当にいろいろな言葉が飛び交うし、お互いへの理解も結構あります。 僕もアメリカはいろいろ住みましたけど、ここまで人種が混ざりあっている場所はないと思います。純粋に学びたい気持ち、コミュニティの中に入りたいと思う気持ちがあればとってもオープンな人々が多いし、受け入れてくれる場所だと思います。

編集部:ハワイの良い所はどんなところだと思いますか? ハワイで一番好きな場所はどこですか?

ヴィンス:人のつながりが密なところです。休みの日に家族親戚ご近所さんたくさん集まって、家のガレージだとか公園でみんなでBBQしたりご飯を持ち寄ってわいわいやるあの雰囲気がすごいハワイだな〜、って感じて大好きです。こないだの年越しもカウアイ島の知人の親戚の家に10家族くらいが集まって、みんなで爆竹や花火を一緒にしました。知り合ったおじさんおばさんは、血がつながっていなくてもuncle, auntyなんて呼んだりして、昔の日本もそうだったのかなー、なんてほのぼのしますね。好きな場所は選びきれませんが、カウアイ島、モロカイ島、ビッグアイランドのヒロが好きで、行くだけでほっとします。

タロイモ畑で
故ダニエルイノウエ国会上院議員夫妻と一緒に
イースト・ウエスト・センター

編集部: 将来の夢は?

ヴィンス:将来と言われるとなんか遠い先のようで、「現在の夢」とさせていただきます。思ったらすぐ行動するタイプなので(笑)。日本がもっともっと誇りの持てるいい国になるように自分の出来る事を貢献していきたいです。特に若者、子どもたちの教育には関わり続けたいと思っています。日本もこれから先、さらに多民族国家になっていくと思います。それに見合った政策だったり、教育、人々の知識や意識の変革も必要になってくると思います。アメリカやハワイにいる自分だからこそ出来るものっていうのがあると思うので、そこらへんを実行していきたいです。

編集部: 好きな言葉、または人生のモットー(Motto)を教えてください。

ヴィンス:“Live to love, love to live” です。なんか昔は好きでもないことを、周りの人の目を気にしてやっていて、「いわゆるレールに乗っかって人生」みたいのに必死に捕まろうともがいていたんだと思います。でも、ため息が多かったり、「自分の人生こんなんでいいんだろうか」みたいなところがありました。打開したくても、「一歩が踏み出せない」自分がいました。でも17才でアメリカに来て、その後は年齢とか周りの目とか「レール」を気にせず、 好きだと思う事を片っ端からやってたら、気が楽になったんですよね。1度一歩踏み外してみたら、あとは自分のエッセンスというかコアの部分と常に近づいていられる感じになったんですね。そしたら少しずつ自分の心に余裕ができて来て、周りも見えるようになってきました。必然的に自分がやりたいと思う事も社会だったり、周りの人たちのために何かできないかなって思えるようになりました。自由奔放すぎてたまに友だちとかにあきれられるんですけど、やっぱ1度きりの人生ですからね。笑ってればきっと福は来るし、自分の心に常に正直に生き続けたいです。

 

(2013年4月更新)

幸せオーラのおすそ分け
ヴィンスさんに初めてお会いしたのは東日本の震災のボランティアをされていた時。日に焼けた笑顔の彼を最初から日系人だと思って疑わなかった私。それもそのはず17で日本を脱出、人生の半分をアメリカの色んな場所で過ごし、海外で自分の道を見つけるやひたすら進み続ける、人種とかではなくて地球人という言葉がぴったりの彼。ハワイの地元や他国の人々との交流もごく自然に、気がつけばいつも世界のどこかを飛び回っているような、まさにフットワークの軽い国際人の代表選手でもある。日本人としてアジアの代表としての今後の活躍がかなり楽しみですね。

編集部

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